北朝鮮は日本時間の15日午前7時ごろ、平壌の順安付近から東に向け弾道ミサイル1発を発射した。菅義偉官房長官は、北海道上空を通過し襟裳岬沖東方約2200キロ付近に落下したと発表した。日本政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)を通じ、北海道や東北、北関東など12道県での避難を呼びかけた。
8月29日に続く再びの弾道ミサイル発射を受け、緊急情報を配信した桐生・みどり両市。列車運行を一時見合わせた地元鉄道・わたらせ渓谷鐵道などの公共機関。特に混乱はなかったものの、担当者は「あまり頻繁だと警報慣れが心配」などと、繰り返されるミサイル発射に警戒心が薄れていく懸念を口にした。
総務省消防庁は発射から約3分後の午前7時に、全国瞬時警報システム「Jアラート」で「発射情報」を、同7分に「通過情報」を伝えた。先月29日と同じ群馬県を含む12道県に配信した。
桐生市(安全安心課)、みどり市(危機管理課)ともに、防災行政無線や緊急速報メールなどでミサイル発射情報を配信。15日正午現在、機器の不具合で配信されないなどのトラブルは確認されていない。
Jアラートと連動して列車運行を一時見合わせた、わたらせ渓谷鐵道は「あまり頻繁に警報が出ると、慣れてしまうことが心配。万が一に備えて、安全第一で対応したい」と語る。
桐生市安全安心課も「ミサイル発射情報に限らず、警報を受け取る側が慣れてしまうのが怖い」と不安がる。みどり市危機管理課は「2回目で市民の慣れはあると思う。とはいえ、過剰反応するのもどうかと思うし、対応が難しい」と困惑ぎみに話している。
鉄道は10分間停車
桐生、みどり両市を走る鉄道各社は、Jアラートの情報を受けた午前7時すぎから、5分から10分間運転を見合わせた。一部列車に数分間の遅れが生じたが、大きな乱れはなかった。
学校は通常通り始業、登校は「安全第一」で
桐生・みどり地区の各学校では、通常通り始業し、授業が行われた。
電車通学の生徒も多い樹徳高校では、独自の一斉メール配信を実施した。保護者あてに「学校は通常通り、交通機関の支持に従う、通学に支障のある場合は無理せず、安全第一に登校する」といった内容。すでに登校している生徒には、校内放送で知らせた。
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