インターネットで興味深い記事を見た。タイトルは「『10万人の宮崎勤』はあったのか?」。「Yahoo!ニュース個人」で発表されたブロガー石動竜仁さんの記事だ▼30年前、幼女連続誘拐殺人事件で宮崎勤元死刑囚が逮捕された直後に開かれた同人誌即売会「コミックマーケット」。そこでテレビ番組のリポーターが「ここに10万人の宮崎勤がいます」と発したという話は2000年代、オタクへのバッシングの象徴的出来事として広がった▼今回の記事ではネットで情報提供を呼びかけ、リポーターやコミケ関係者にも取材。確たる証拠は見つからない中、うわさを研究する大学教授にもインタビューするなど読みごたえがあった▼しかし、ここまで調べても「なかったとは言い切れない」という声が上がる。以前、ゆとり教育の象徴として挙げられる「徒競走での手つなぎゴール」を検証したラジオ番組を聞いたときも感じたが、無かったことを証明するのは本当に難しい▼ネットがあるからこそ知りえた検証記事。しかし、ネットはうわさを速く広くばらまき、誤りと分かった後にも、時々顔を出す。スピード重視の現代社会だが、自衛手段はすぐ反応しないことなのだろう。(野)
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