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命の輝き

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 最年長75歳、平均年齢70歳でシンクロナイズドスイミングをする、全国でも最高齢の「桐生らっこ」というチームがある。先月、8人で出場した東京の大会でベストシンクロ賞を受賞した▼演技で魅するシンクロは筋力、体力だけでなく、あらゆる感覚を必要とする過酷なスポーツだ。人は誰しも年をとり、体の機能は衰えていく。リーダーの青木文代さん(72)=相生町一丁目=は老いとともに難病、がん、白内障、難聴を患いながらも、医師や仲間との信頼関係の中で克服し、挑戦し続けている▼「もう限界。やめたい」と暗く沈んだ日々もあった。だが、「この年でも目標を持って、どんどんチャレンジできる姿をみんなに見せたい」と言う。やり遂げたい、もっと生きて楽しみを分かち合いたいという強い意志の力。見えなくなったものを見、聞こえなくなった音を聴き、がん細胞をも死滅させる。「人生を楽しみ尽くしたい。来年は全国大会、75歳になる年にはマスターズの世界大会に出たい」▼それが人生最後の挑戦になると青木さんは語る。「でも、そこへ向かって頑張ることこそが、今、私の生きる力。人生のアルバムになるのよ」。生き生きと語る青木さんの目に、命の輝きを見た。(里)
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