桐生市議会(森山享大議長、定数22)12月定例会は21日午前、本会議を開いて一般質問を行った。桐生祇園祭の鉾(ほこ)や屋台を展示して郷土芸能の八木節も紹介する複合施設「まつり会館」を新設してはどうかとの議員提案に対し、亀山豊文市長は「大変有益な事業」と答弁。「現在策定中の市歴史的風致維持向上計画に、鉾と屋台の伝承活用を盛り込んでいる。近々計画が認定されると思うので、その後に検討を始めたい」と意欲を示した。
【まつり会館】幕末から昭和にかけて造られ、本町一―六丁目町会に現存する桐生祇園祭の屋台6台と鉾2台。北川久人議員(創志会)が「経済的事情でほとんどが(解体された状態で蔵に収納されて)日の目を見ないのはもったいない」と指摘した。
そのうえで「しっかりとした保管施設をつくり、一堂に展示公開できる施設をつくるべき。八木節の紹介も含めた複合的な“まつり会館”を新設すれば、桐生観光の目玉になるのでは」と市側の考えを聞いた。
亀山市長は「各町会が保有する歴史的な屋台や鉾を一堂に展示し、歴史的な資料公開や物産販売、八木節競演などを行うことは新たな観光資源。組み立てた状態での保管で劣化防止にもなり、大変有益な事業」とした。
そのうえで「まつり会館についてだが、現在策定中の市歴史的風致維持向上計画に、鉾と屋台の伝承活用を盛り込んでいる。近々この計画の認定がされると思うので、その後に公開施設の在り方について検討を始めたい」と述べた。
歴史的風致維持向上計画は歴史まちづくり法に基づくもの。認定されると、歴史的建造物の保存活用や環境整備、伝統文化継承など、計画に盛り込まれた各種事業に国からの支援が受けられる。
桐生市は8月に同計画案(計画期間は2026年度までの10年間)を公表、今月18日に国に認定申請した。その中で屋台と鉾の修理、文化財指定や常設展示を含めた公開方法の検討が盛り込まれている。(20日、本会議)
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