桐生市議会(森山享大議長、定数22)12月定例会は21日、本会議を開いて一般質問を行い、全日程を終えて閉会した。同市発祥の大手パチンコ機メーカー「平和」創業者・故中島健吉氏が生前暮らし、2013年に同市に寄付された同市堤町の旧中島邸が有効活用されていない現状を受け、市は「民間事業者に意見提案を求めて民間活用の可能性を探る『サウンディング型市場調査』を早急に実施し、貴重な財産の有効活用に積極的に取り組みたい」との意向を示した。
旧中島邸は「市政発展のために役立ててほしい」との中島氏の遺志を受け、邸宅所有者で遺族が経営する関連会社が2013年11月1日付で市に寄付したものだ。
市街地を見下ろす高台に2000年に建てられた鉄筋コンクリート2階建ての建物で、管理状況も良好。土地と建物の資産価値は当時の固定資産税評価額で約2億1000万円に上るという。
市は寄付受け入れ前の13年1月に日本貿易振興機構主催の展示商談会のもてなしの場として活用したほか、寄付受け入れ後の同年12月には市内団体がホームページ撮影に使った実績がある。
本会議では辻正男議員(そうぞう未来)が「寄付を受けて4年間で1、2回の使用。宝の持ち腐れになると危惧している。寄付者にとっても本意ではないのでは」として、今後の活用方針をただした。
和佐田直樹総合政策部長は「活用策について庁内関係部局で協議を重ねてきたが、(建物に)見合うような家具や調度品が備わっておらず、今のところ有効な活用策が見いだせていない」とした。
そのうえで「民間事業者から広く意見・提案を求め、対話を通じて市場性を把握できる『サウンディング型市場調査』を早急に実施し、貴重な財産の有効活用に積極的に取り組みたい」と述べた。
関連記事: