桐生厚生総合病院の負担金をめぐり、桐生、みどり両市の見解の相違から2016年度の負担金約332万円が不足した問題で、両市は22日までに、不足分の取り扱いと今後の負担金の算出方法に関する合意書を取り交わした。不足分については「みどり市が病院側と協議して課題解決に努力する」とし、具体的な金額や支払い方法は明示しないまま、みどり市が必要に応じて病院側と協議することで合意した。
合意書は▽16年度の負担方法▽17年度の負担金算出方法▽18年度以降の負担金算出方法▽その他―の4カ条。同病院を運営する桐生地域医療組合(両市で構成、管理者は亀山豊文桐生市長)の立ち会いのもと、亀山市長と石原条みどり市長が15日付で調印した。
16年度の不足分については、桐生市は負担せず、みどり市が当事者となって病院側(組合)と協議することで合意した。
ただ、すでに同組合は332万円を収入不足のまま同年度の決算を済ませていることなどから、みどり市が全額をさかのぼって支払うのではなく、「病院側から新たな経費負担について要請があれば検討する」(同市の斎藤幸雄保健福祉部長)とのスタンスだという。
17年度については、桐生市が15年12月に提案した算出方法で負担金を出すことで合意。18年度以降は、普通交付税を従来通り病院立地市の桐生市に一括算入するか、各市に分割算入するかを検討し、それが決まるまでは17年度と同様に負担金を計算することにした。
桐生市は21日に開かれた市議会教育民生常任委員協議会で合意内容を報告。みどり市は15日付で市議会市民福祉常任委員らに文書で報告した。
同病院の負担金は、病院事業に関わる交付税を除いた額を両市が一定の割合で支払っているが、桐生市が15年12月、交付税の算定方法の変更を提案。それまでは全国自治体病院開設者協議会が示す計算式による「理論値ベース」で交付税を算出していたが、これを実際の交付税額に近い「実額ベース」に見直すことを提案した。
変更すると、16年度の負担金はみどり市分が332万円増えることが判明。同市はこれに対し、事務レベルで変更できる問題ではないとして、従来通りの算定方法を要望。両市の主張が対立し、332万円が宙に浮いた状態となっていた。
関連記事: