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Channel: ウェブ桐生タイムス
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すきま

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 「スキマ産業」という言葉を耳にするようになって、もう20年、いや30年はたったか。その間に産業の隙間はどんどん埋まっていき、隙間の隙間、その隙間まで埋め尽くされた感じだ▼書店の棚を見れば、そんな細かいことまで本にするのかと思うような、昔は絶対になかったようなジャンルの本が並ぶ。ジャンルとジャンルの隙間は埋まっていき、今はその隙間を見つけたものが本を出す。そんな印象すら受ける▼その昔、まちには空き地という隙間があり、遊び場にもなった。やがて空き地は建物や駐車場になって埋まっていき、空き地で遊んでいた子どもたちはまちから姿を消した▼隙間というのは、余裕だ。隙間を埋めてしまったら、余裕がなくなる。余裕がなくなれば、融通が利かなくなる。融通が利かないから、厳密にとらえる。厳密なもの・こと、それだけが正解になる。そして、正解でないものは間違い扱いされる▼たぶん、何ごとも過ぎたるは及ばざるがごとし。はるか昔、秦の商鞅が法律を厳密に徹底させた結果が「法を為すの弊、一にここに至るか」。厳密は大事なことではあるけれど、厳密でないことを許容できる余裕も大事なこと。「大ざっぱ」や「だいたい」も、大事なこと。(
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