夜来の雨も上がって開式時刻に合わせるように青空が広がった1日、公私立高校で一斉に卒業式が行われた。
創立110周年の県立桐生女子高校(西村琢巳校長)では体育館で卒業証書授与式が挙行された。管弦楽部の祝賀演奏に乗って卒業生が入場し、第70回全日制課程は英語科33人と普通科166人の199人、第61回通信制課程は25人の計224人が各担任の呼名を受けて立ち、代表に卒業証書が手渡された。
西村校長は式辞で米国の青春小説「ライ麦畑でつかまえて」を紹介。「欺瞞(ぎまん)に満ちた社会に憤るホールデン少年は、自分がなりたいのは崖っぷちから落ちようとする子をさっとキャッチする、ライ麦畑のキャッチャーだといいます。混迷を深め先が読めない世界ですが、自己優先の考え方は孤立、争いを生む。世の中が崖っぷちから落ちないよう、よき社会人として力を発揮する、やさしい人になってください」と語りかけた。
在校生を代表して大島璃乃さんが「物事に真剣に打ち込む姿勢を桐女の良き伝統として引き継ぎたい」と送辞。卒業生は全日制代表の六本木光虹さんが3年間を振り返り「自立した女性として人間として自分の人生を歩み、社会に貢献できるよう生きていきます」と決意を述べ、通信制代表の堀畑さくらさんは「さまざまな事情を抱え、年齢の異なる仲間たちと困難を乗り越えて」迎えた晴れの日。「高齢になりつつある母を卒業式に呼べたことが唯一の親孝行」と答辞を述べた。
式歌「仰げば尊し」に続いて校歌を斉唱して、卒業生は拍手に送られて式場を後に。たくさんの思い出を抱えて学びやを巣立って行った。
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