夜、交差点の近く。しゃがみ込んで、野良猫をなでる。目線は普通より低く、猫寄り。信号待ちの車のライトがちょうど当たって、強烈にまぶしい。人間の目でこれだけまぶしいのだから、夜目の利く猫には苦痛だろうなと思い、物陰に隠れた▼夜の走行には、ヘッドライトは不可欠である。夜の暗がり、制限速度で走っていても、視界は悪い。明るければ明るいほど、運転者にとっては安心だし安全だ。歩行者にとっても、ライトがついていれば遠くからでも車の存在が分かるから安心だし安全だ▼安心・安全は、優先されるべきものではある。ただそれは、車が存在するからこそのもの。車で移動する。夜はライトをつける。安全のための当たり前の行動だが、歩行者にとっては本来、必要のないもの。歩行者たちには「まぶしい」という、とんだ迷惑をかけているのだ▼中学までは徒歩、高校から自転車、免許を取ってからは車が、移動手段の中心になった。今さら戻れといわれても、便利さに甘んじている身には難しい。せめて停車中はスモールライトにするとか、スピードは控えめにするとか、少しでも、心配りしてみよう▼また一つ、猫目線で教えられた配慮の欠如。まったく、勉強になる。(篤)
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猫の目線
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