先日、「日常とはどれくらいの範囲か」という会話をした。どこまで出掛ければ「非日常」と感じるかという話▼わたしの答えは「目的による」。県内の同じ場所でも、遊びに行くぞと気合を入れれば「非日常」だし、仕事の一環ならば「日常」。そう回答したけれど、どうも気に入らなくて日常と非日常の違いをつらつら考え運転していた▼そんな真っ昼間の幹線道路、信号待ちをしている横目に入ったのは空き地で1人ダンスの練習をしている幼い女の子。アイドルの振り付けなのか、一生懸命歌いながら手足を動かし、ほほ笑ましい。そして思ったのだ。彼女を見かけたときの気持ちの高まりは、ちょっと非日常のわくわくに似ているな▼取材帰りに見かけた美人ネコを追って、よく知っている地区で道に迷ったこと。山に向かう途中で10羽以上のトンビがぐるんぐるん旋回して見事だったこと▼どちらもここ1週間に起きたこと。日常の延長で決して大きな出来事ではないけれど、心は確かにどきどきわくわくして非日常に近かった▼随分と安上がりにできてるなあと振り返る。だけど、ささいなことでも感じ方一つで日常と非日常は入れ替わる。その境界線はきっとあいまいで、人それぞれ。(並)
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