甲子園取材のため、大阪へ。新大阪駅のホームに降り立つと、見慣れない白い車体が隣のホームにあった。九州新幹線だ。「これに乗れば一気に鹿児島かあ」。仕事でなかったら飛び乗ってしまいたいところだ▼社会人となってから、夏休みには「行ったことない県巡り」を掲げ、毎年違う県を訪れた。友人となかなか休みが合わず、気ままな一人旅だからできたこと。いまはなきブルートレインも何度か利用した▼寝台列車は想像していたよりもよく揺れ、なかなか寝付けず、かといって本も酔いそうで読みにくい。車窓からの景色を楽しもうにも外は真っ暗。それでも明け方、夢とうつつの狭間で出あった山の中の光景は旅の思い出の一つとして強く印象に残っている▼きょう26日、北海道新幹線が開業した。これで鹿児島県から北海道まで日本列島が超高速鉄道網でつながることになる。記者が未踏の北海道の大地へ、大宮駅から新幹線にひょいと飛び乗り、行くことも可能となった。うれしいような、ちょっと寂しいような▼東海道新幹線が開業した約半世紀前、「夢の超特急」と呼ばれた新幹線はすっかり日常の乗り物となった。50年後、日本にはどんな景色が広がっているのだろうか。(野)
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