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乳母車つくりました、“車いじり”の腕生かし完成

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 自動車整備士で検査士の飯田陽介さん(46)=桐生市境野町=が、四輪式の“乳母車”を自作した。いわゆるベビーカーではなく、乳児を寝かせて乗せるオールドタイプの乳母車。追い求めたのは懐かしさだけでなく、曲線を組み合わせた柔らかなデザイン、操縦しやすい高さ・大きさ、空気タイヤとサスペンションを組み合わせた乗り心地…。市場になければ自分でつくる。生まれたばかりの子どもと妻のために、きまじめに遊んだこだわりの1台だ。

 長女の楓ちゃんが誕生したのは昨年12月。妻の千里さん、そして娘へのクリスマスプレゼントとして、飯田さんは乳母車の製作に取りかかった。「昔ながらの乳母車がほしかったが、気に入ったものがなかなか見つからない。ならば自分で製作しよう」と、技術屋の腕が鳴った。

 自動車メーカーに勤務し22年間、メカニックとして研さんを積み、古い自動車やバイクのレストア、そしてカスタマイズと、趣味の“車いじり”でも腕を磨いた。昨年5月、一念発起して独立。桐生川を挟んで隣の足利市小俣町に工房を兼ねた工場「Y’s CRAFTS(ワイズ・クラフツ)」を構えた。

 乳母車の製作も車づくりの延長だ。乳児を寝かせるバスケットを基点に、千里さんのアドバイスを採り入れながら完成予想図を描いた。ホームセンターで購入したアルミパイプを曲げ、溶接で補強して部材をつくり、骨格を組み上げた。足回りのサスペンションは、古いハーレーを参考にした。

 「直線を使わないデザイン、軽さと強度、操縦のしやすさ、乗り心地、赤ちゃんと親との距離、持ち運びのしやすさなど、いろいろと考えました」と飯田さん。本業の合間を縫って、正味20日ほどの作業。完成した乳母車は、長さ120センチ、幅65センチ、高さ90センチ。アルミのシルバーと曲線が優美な1台に仕上がった。

 陽気のいい日には、楓ちゃんを乗せて試走も実施。近所の散策やショッピングセンターなどでは、「いいですね」と周囲から声をかけられるほど、評判は上々だ。

 今回の乳母車はプロトタイプで、かかった費用は材料、技術料などを含め約20万円。飯田さんは「ほしい人がいれば、デザインや希望などを聞きながら、オーダーメードの乳母車に取り組んでみたい」と話す。

 Y’s CRAFTSは桐生岩舟線を足利方面に進み、桐生川に架かる境橋を渡ってすぐの信号を左折して間もなく。問い合わせは飯田さん(電080・5099・1751)まで。
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