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吉田文恵さん、国連の女性差別撤廃委員会を傍聴

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 女性に対するあらゆる差別の撤廃を目指して活動するNGO「国際女性の地位協会」会員の吉田文恵さん(62)=桐生市堤町三丁目、英語塾経営=が、スイス・ジュネーブで2月に開かれた国連の女性差別撤廃委員会を傍聴した。市民の立場から委員たちに情報を提供する事前の直接対話にも参加。「各国の委員たちがよく聞いてくれて、日本政府への質問や勧告にも反映されていた」という。国際社会の、最新の情報を身をもって知ることで自分自身を磨き、教える子どもたちにも伝える。「女性が知って、気づかなければ。学んで生かそう女性の権利、です」と。

 女性差別撤廃条約の実施状況を審査する国連の委員会は、前回2009年の勧告以降の日本の取り組みを評価、一方で夫婦同姓、女性の再婚禁止期間などの改正、指導的地位に占める女性の割合を30%以上にすることなどを求めた。各国の委員たちの英語でのスピーチが胸に響いた。

 吉田さんは女性のための県政参画講座を受講したり、GHQで日本国憲法の草案にかかわったベアテ・シロタ・ゴードンの映画を見たりするうち国際女性の地位協会を知り、会員に。各種シンポジウムや講座に積極的に参加し、研究者や活動家の知己が増えた。自身の語学力も生きる。「勧告をいちはやく翻訳し、日本のみなさんに知らせたい」

 「子どものころはのこぎりを使うほうが得意だったのに、裁縫をやらされた。結婚したら女が改姓するものだと思っていた。自分の権利を主張して人生を設計するには、知らなくちゃいけない」と実感。県立女子大にも聴講生として通う。「遅くなるときは夫が夕飯をつくるように。男性も変わるんです」

 英語塾の生徒たちも国連に興味を持って「パン・ギムンは好き」と言ったり、新聞を読むようになったり、女性差別のニュースに敏感になったという。「ウーマン・リブなんて言葉を知らない世代ですよ」と笑う。「男性中心にできてきた社会、女性が気づいて、賢くならなければ」と願っている。
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