みどり市制施行10周年を記念し、同市大間々町のまちおこし団体、三方良しの会(松崎靖会長)は9、10の2日間、大間々の歴史と文化に根差したイベントを連続開催した。9日には、江戸時代に当地で花開いたしょうゆと酒の「発酵文化」に光を当てたイベントを開催。10日には、大間々を開拓した「草分け六人衆」の一人、長澤家ゆかりの薬師堂で「春恋祭」と銘打った縁日イベントを開き、400年の歴史をしのんで楽しんだ。
大間々町の歴史と文化を彩り、日本の食文化に欠かせない発酵文化をテーマにした映画上映会とフォーラムが9日、同町のながめ余興場で開かれた。
江戸時代に大間々でしょうゆや酒の醸造を始めた近江商人の経営理念「売り手よし、買い手よし、世間よし」を受け継ぎ、まちおこしに取り組む三方良しの会が開いたイベント。約100人が参加する中、日仏合作ドキュメンタリー映画「千年の1滴 だし・しょうゆ」(柴田昌平監督、2014年)を鑑賞した。
フォーラムでは、全国のしょうゆを販売する職人醤油(前橋市)の高橋万太郎代表(35)をゲストに、大間々で1787(天明7)年創業のしょうゆ醸造元、岡直三郎商店の蔵人・金子光一さん(54)、銘酒「赤城山」で知られる近藤酒造の杜氏(とうじ)・南野強さん(63)、みどり市岩宿博物館の荻原研一副館長がパネル討論。その後、参加者らは岡商店と近藤酒造の蔵を見学し、伝統を守る蔵人の仕事に触れた。
松崎会長はあいさつで、岡商店に飾られている仏教哲学の大家・井上円了の書「喜気如醸」(ききかもすがごとく)を引き合いに、「まちの歴史をじっくり味わい、醸し出すような文化をみんなでつくっていくきっかけになれば」とイベントの意義を語った。
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