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うちの市役所大丈夫? 両市とも耐震化に課題

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 熊本地震では市役所や町役場が損壊する例が相次ぎ、住民に身近な防災拠点となる自治体庁舎の耐震性の問題が改めて浮上した。桐生地区でも、大地震の際に災害対策本部を置く桐生市役所本庁舎(同市織姫町)、みどり市役所笠懸庁舎(同市笠懸町鹿)ともに耐震化が済んでいない。両市は合併を想定した事務レベルの研究会で新庁舎の集約化を検討したことなどから、現時点では既存庁舎の建て替えや改修工事のめども立たないのが現状だ。

 熊本地震では市役所や町役場が損壊する例が相次ぎ、住民に身近な防災拠点となる自治体庁舎の耐震性の問題が改めて浮上した。桐生地区でも、大地震の際に災害対策本部を置く桐生市役所本庁舎(同市織姫町)、みどり市役所笠懸庁舎(同市笠懸町鹿)ともに耐震化が済んでいない。両市は合併を想定した事務レベルの研究会で新庁舎の集約化を検討したことなどから、現時点では既存庁舎の建て替えや改修工事のめども立たないのが現状だ。

 16日未明、熊本県宇土市では震度6強の揺れで庁舎が壊れ、使用できなくなった。災害発生時に住民の救助や生活必需品の提供、インフラ復旧の司令塔となる庁舎が使えないと、災害対策に支障を来す。

 桐生市の本庁舎は、災害対応の中核を担う総務部のある本館が、宇土市役所と同じ1965年竣工(しゅんこう)で、耐震化は未対応。震度5強~6強に耐えられる現行耐震基準を満たしていない。
 みどり市笠懸庁舎も、現行耐震基準前の71年竣工。桐生市役所本庁舎と同様に、災害対応の拠点である総務部があるにもかかわらず、耐震化に向けた対策は進んでいない。

 総務省消防庁の2014年度末現在の調査によると、災害発生時に応急活動の拠点となる都道府県と市区町村の庁舎は8707カ所あるが、現行耐震基準を満たすのは74・8%にとどまる。

 消防庁は庁舎を含む公共施設の耐震化を進めるために財政支援しているが、それでも改修工事の費用負担は重く、桐生・みどり両市を含む多くの自治体では、財政事情で対策が難しいのが現状だ。

 さらに桐生・みどり両市の場合、今後の合併協議の方向性が出ていないという特殊事情も影響している。

 両市は合併を想定した事務レベルの検討組織「桐生・みどり新市建設研究会」を2014年12月に設置。桐生市側の求める任意合併協議会の設置が、みどり市側の意向で見送られた代わりに、本来合併協で扱う重要項目も協議してきた。

 今年2月には新市研の研究成果をまとめた報告書を両市が公表。石原条みどり市長はそう遠くない時期に合併協議の方向性を出すとする一方、亀山豊文桐生市長はみどり市からの回答を待つ姿勢を示している。

 報告書によれば、両市共通の課題として「庁舎の老朽化対策」を挙げ、新庁舎のあり方として「庁舎の集約化を図る必要がある」などと指摘。JR岩宿駅周辺や新桐生駅隣接の既存民間ビルを新庁舎の候補地としている。

 合併協議の今後の方向性が不透明な中、現庁舎の耐震化が進まない現状。しかし、いざというときに住民の安心・安全を守るために耐震化は欠かせない。熊本地震の教訓をどう生かすかが問われている。
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