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熊本地震、避難所に桐生の布

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 熊本地震後の避難所になっている学校の体育館などで、プライバシーを確保するための間仕切りシステムを設置するプロジェクトが始動した。世界的な建築家の坂茂(ばん・しげる)さん(58)が考案した、紙管と布で簡単に組み立てられる間仕切りで、桐生には布の提供要請がきている。小林当織物がいちはやく応じたほか、坂さんと旧知のテキスタイルプランナー新井淳一さん(84)は桐生ボランティア協議会(宮地由高会長)の協力も得て「織物産地・桐生ならではの支援ができれば」と布集めにかかっている。桐生織物協同組合も各社に呼びかける。

 坂さんは国際的に公共建築を手掛けるだけでなく、20年以上前から災害被災地や難民キャンプなどの支援活動を続け、建築のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞。2011年の東日本大震災時には東北50カ所の避難所に1800の間仕切りシステムを提供した。紙管を組み立てて布のカーテンを掛けるだけで2メートル四方の「個室」ができる。更衣室や授乳室にも使え、カーテンを開ければ広い空間が得られる。

 熊本地震への対応も始まった。避難者のプライバシーを確保し、少しでもストレスを和らげ、エコノミークラス症候群の危険がある車中泊を避けるねらいだ。熊本市立帯山西小学校の体育館では24日、ボランティアの学生ら40人が30分足らずで60セットを完成させた。益城町や南阿蘇村、大分県竹田市などにも無償で設置する。

 費用は寄付金などで賄うが、桐生には「余った布、C反でもかまわない」との要請があり、仕切り用の布の提供が始まった。幅110センチ、長さ240センチを1単位とし、少々色や柄があってもいいとのこと。小林当織物の村岡謙一常務(61)は「落ち着ける色の残布50メートルを20本出しました。ポリエステル、綿などです」。桐生織物協同組合でも各社に提供を呼び掛ける。

 新井さんは「人間のぬくもりのある布を、桐生から届けたい」と語り、ボラ協の宮地会長は「仮設住宅ができるまでは避難所の生活が続くから」と必要性を実感。東日本大震災時に支援物資の倉庫に使った青柳ノコギリ屋根店(桐生市東七丁目、電0277・45・2120)の南側を集荷場所とし、28日まで搬入を受け付ける。問い合わせはボラ協(電0277・55・0170)へ。
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