桐生市営間ノ島団地を抱える同市広沢町間ノ島第二町会(田口幸男町会長)が、団地で暮らす75歳以上の独居老人や身体に障害を抱える人たちを住民どうしで見守る活動を始めた。11棟ある団地の各棟の組長をはじめ、町務員や町会役員ら約50人が見守り活動推進委員となり、訪問チームを編成。月に1度のペースで高齢者世帯を訪ね、対話を通して近況を把握する。初日となった5日、見回りを終えた推進委員からは「好意的にとらえてもらえている」と、団地住まいの不安解消に向けた取り組みに、手ごたえを感じている。
間ノ島団地ではここ数年、独居の高齢者が体調を崩して病院に搬送されたり、亡くなったりするケースが増加している。一度体調を崩すと外出の機会が減り、団地住民との交流も減る。いわゆる「孤独死」のような事例も危惧される。住民にとって切実な問題である。
住民どうしで見守り活動を始めようと、町会役員らは一昨年から、桐生市社会福祉協議会などから協力を受け、仕組みづくりに取り組んできた。
75歳以上の独居の高齢者や、身体に障害のある入居者を選ぶ一方、見守り活動の推進員が必ず2人以上で巡回することなどルールを決定。5月上旬には「見守り活動を始めます」と、各世帯に通知を回した。
5日、初めての見守り活動には約40人が参加。16組のグループが各棟に分かれて対象世帯を訪問し、「体調に変化はないですか」「食事はとれていますか」など、日々の暮らしについて対話を交わした。
田口町会長は「グループには女性や高齢者が加わっており、対話がなごやかになる。一人暮らしの人たちの最新情報が把握でき、いざというときの対応にも役立つはず」と話す。
訪問を受けた女性(75)は「話し相手がほしい人は多いはず。月に1度の訪問でも、ずいぶん違うのではないか」と活動を歓迎する。
町会では7月以降、75歳以上の夫婦世帯にまで対象を広げる予定だ。動ける人向けにはサロンで対応し、動けない人には見守り活動で対応する。暮らしやすい団地へ、取り組みが始まった。
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