23年前からネパールに移住して人々の生活向上に献身しているOKバジこと垣見一雅さん(77)が、18日にOKバジを支援する会(山岸正雄会長)の総会に出席、また20日にはきりゅう女性協議会(武井由紀子会長)で講演した。ネパール大地震から1年2カ月たつが、4カ月続いたインドとの国境封鎖で燃料不足に陥るなど「復興にはかなりの時間がかかる」という。しかしその中でこそ「小さなことに感動、感謝できる」と語り、教育の普及や女性グループの自立への動きなどを紹介した。
OKバジを支援する会は今年度、約1015万円のカンパを、日本を美しくする会関係者は地震見舞金約38万円を、「100%有効に使われる」とバジへ送金。バジはかつてより歩けなくなったというものの、毎日村から村へと回り人々の要望を聞き取っている。
日本からの支援金でこれまで200以上の学校を建てたが、地震で壁に亀裂が入るなど被害状況を調べて、対応することにしている。また地震によるがけ崩れで水源が埋まってしまったため、新しい水源を見つけて飲料水を確保した村も。「蛇口から水が出て、それを飲める。日本では当たり前のことに感動します」とOKバジ。
そんな中で「一番変わったのは初等教育の普及。22年前の村の女性の最高学歴は小学校5年生だった。いま大卒の女性9人、男性は19人、いろんな分野で活躍している」と喜ぶ。「教育は貧困を抜け出す手段になる」
女性グループも、自分たちの意見をまとめて直接バジに言ってくるようになった。3年前から女性集会所がほしいと20万円要望していたグループに、バジは5万円で種イモを提供。彼女らは初年度に15万円売り上げて5万円返し、次年度は12万円を得た。この成功に「15村あちこちでジャガイモの作付けが始まって、女性リーダーは1カ月早く植える計画でいます」。
「不足が教えてくれることがある。心のありかた次第で、喜びクリエーターになろう」とOKバジ。来年はネパールの小学校長を日本に招きたい考えで、協力を呼び掛けるとともに「ぜひすてきなネパールの人々に会いに、おいでください」と語りかけていた。
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