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さなぎの行方

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 5月21日、アゲハチョウの2齢幼虫を4匹もらい受けた。22日、一番小さく弱そうだった1匹が死んでしまう。残り3匹▼26日、白黒の体の奥に緑色が透けて見える。28日、気づかぬ間に2匹が脱皮しておなじみ緑色の終齢幼虫に。29日、最後の1匹が終齢になり、3匹とも元気で食欲旺盛▼6月4日未明、最初の1匹がさなぎになり、続いてもう1匹。5日に日付が変わったころ、3匹目がさなぎになる様子を見せた▼小さな体をときおり大きくよじらせ、もがく。震わせ、体を縮めて伸ばして、また震わせて。持てる全てを出した力強い動きは圧巻。見逃すわけにはいかなくて、瞬きを忘れるほど眺めていた▼13日、最初の1匹が羽化、外の世界へ羽ばたいた。16日、3番目にさなぎになった個体も続く。2番目は羽化しないまま、きょうになった▼飼育箱の中には天敵はいないし、えさ不足もなく、ぬくぬく育ったアゲハたち。そう思っていたけれど、力を振り絞って脱皮を繰り返し、さなぎになり、羽化する姿を目の当たりにしたら、随分と心を揺さぶられてしまった。彼らはいちいちが大仕事で、いつでも命がけ▼だから今、もう羽化しないであろう1匹のさなぎの処遇に困っているのだ。(並)
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