みどり市大間々町中心街で386年の伝統を誇る「大間々祇園まつり」の開催をめぐり、1877(明治10)年に、地元の祭典関係者が初代群馬県令・楫取素彦に宛てた嘆願書が発見された。同年は、祭典の会場である本町通りの堀が埋められ、堀端にあった常夜灯が相次ぎ撤去された年で、嘆願書では「通りの中央に仮宮を建てて例年通り祇園祭を行いたい」と願い出ている。歴史をしのばせるこの貴重な史料が、15日に同町で開かれるイベントで公開される。
嘆願書は、祇園祭の祭神である八坂神社を合祀(ごうし)している神明宮(斎藤巌宮司)が所蔵していたもので、県令に提出した実物の控え。差出人は同神社の当時の宮司・齋藤粂作と氏子総代・新井宇八の連名になっている。
大間々の本町通り(現・国道122号)には、江戸時代後期の1812年から25年にかけ、一丁目から五丁目の堀端にそれぞれ常夜灯が建立された。明治10年には、通りの中央にあった堀が埋められ、常夜灯が撤去される改修工事があったという。これを受け、例年通りの祭典開催を危惧した関係者が県令に願い出た可能性がある。
内容は「8月1日から3日まで、通りの中央に御仮屋を設け、祇園祭を行いたい、人馬往来の妨害にならぬよう、祭礼に事寄せて派手なことは慎むので何とぞお聞き届けください」というものだ。
この嘆願書をはじめ、大間々祇園まつりの昔の写真や8ミリビデオを公開するイベント「大間々ナイトアーカイブス・祇園祭編」が15日午後5時半から、同町の岡直三郎商店の土蔵前で開かれる。土蔵の白壁に写真や映像を投影するもので、昨年11月に続き2回目。
これに合わせ、同日午後4時から「大間々三丁目常夜灯200年祭」も開く。1815(文化12)年に建立された三丁目の常夜灯の歴史を後世に伝えるイベントだ。
主催する市民団体・三方良しの会の松崎靖会長は「町の祖先が常夜灯に込めた思いを受け止め、次の世代に引き継ぐためにも、盛大に200年祭を行いたい」と話す。
イベント中は光栄寺といきいきセンターの駐車場が利用できる。問い合わせは松崎さん(電0277・73・1212)へ。
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