第37回少年の主張全国大会~わたしの主張2015~が8日、東京・国立オリンピック記念青少年総合センターで開催され、蓼沼花音さん(樹徳中3年、佐野市在住)が審査委員会委員長賞を受賞した。全国55万人の参加者から選び抜かれた12人が出場し、「十万分の一・五の奇跡」のタイトルで発表した蓼沼さんは4位に。「一見マイナスでもプラスに変わる。奇跡はだれにでもある。伝えたいことが伝わって、よかったです」と笑顔を見せた。
「10万分の1・5」とは、1型糖尿病の発症率。現在の医療では治すことができず、インスリンの自己注射を続けなければならない。蓼沼さんは小6の春に医師に告げられた。自分の運命をうらんだ。しかし母が勤務する特別支援学校の生徒たちの一生懸命な輝き、そして車いすの祖父の言葉「歩けないから、見えるものがある」。「見方を変えて、悲劇のヒロインを卒業できた」という蓼沼さんは、「病気を受け入れ共に生きていきたい」と語る。
5月に書いた作文でクラス代表となり、校内大会を制し、桐生市で最優秀賞に。続く東毛大会、県大会でも最優秀賞で、関東甲信越静地区のテープ審査に進み、上位3人に選ばれた。「気持ちの込め方、話し方を練習して」全国大会へ。前日のリハーサルでは緊張したが、その分本番は落ち着いて発表できた。
結果は4位の審査委員会委員長賞。記念撮影では松本零士委員長が後ろに立った。また秋篠宮家の次女佳子さまが12人全員に言葉をかけてくれ、「いい香りに包まれた」そうだ。
実は国語が一番苦手、英語が好きだという蓼沼さん。12日から1週間、英国での語学研修に出発。来夏には副賞にミクロネシア旅行がプレゼントされる。将来については「立志のときは自分の病気を治せる医学系研究者、いまは母のいう先生もいいかな」と模索している。
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