フランス・パリ中心部のバタクラン劇場などで13日夜(日本時間14日朝)、複数の銃撃や爆発などの同時テロがあり、警察によると14日までに128人が死亡、約180人が負傷した。パリの知人宅に滞在している桐生市出身の20代女性も当時、騒然とするパリ中心部でテロ発生を知った。知人宅に戻った直後に無事の一報を受けた桐生市内の家族は「無事でよかったが、まだ何が起こるか分からない」と不安をあらわにしている。
同劇場では数人の容疑者が侵入後、観衆に発砲。数十人の人質を取って立てこもった。14日未明(日本時間同朝)に警官隊が突入して制圧した。劇場付近のカンボジア料理レストランなども襲撃を受けた。
在仏日本大使館によると、これまでにテロに巻き込まれた邦人の情報は寄せられていない。
テロ発生時にパリ市中心部にいたのは、桐生市錦町在住の写真家・齋藤利江さん(75)の孫娘で、同市出身ニュージーランド在住の宇田奈央さん(24)。
10月からパリの知人宅に滞在中で、同日昼は知人と同劇場付近を散策していた。テロが発生した同日夜も、騒然とするパリ中心部に知人といたという。
知人宅に戻った後の日本時間14日朝、祖母の齋藤さんに電話で無事を連絡。「銃声のような音が聞こえて、騒然としていて怖かった」などと興奮ぎみに語った。
さらに「劇場近くに行ったのが夜だったら、自分が巻き込まれていたかもしれない」とも説明。齋藤さんも「無事だと聞いてほっとした」と安堵(あんど)したという。
齋藤さんの長女で奈央さんの母・宇田弓子さん(53)と、その次女で奈央さんの妹・茉由さん(22)も現在、たまたまニュージーランドから桐生市内の齋藤さん宅に滞在中。3人は「家族は無事でよかったが、多くの人が亡くなっているので複雑。まだ何が起きるか分からないので心配」と気をもんでいる。
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