8月半ば以降、相次いで上陸した台風の影響で、北海道の野菜の産地が被害を受け、ジャガイモ、タマネギ、ニンジンなどの価格が上がっている。大産地なだけに影響は全国的。桐生・みどり地域でもここにきて、価格の上昇は顕著だ。
桐生地方卸売市場の桐生青果によると、この1週間でジャガイモやタマネギの卸値は平年の30~40%増し。ニンジンは2倍近くに跳ね上がった。ダイコンやトウモロコシなど、その他の野菜も影響を受けており、野菜全体の卸値がじわりと上昇傾向にあるという。
入荷はあるものの量自体が少ない。ニンジンなどはここ数日で急激に減少した。北海道全体から見れば、被害を受けた地域は限定的で、南北海道などの産地では収穫が続いている。ただ、全国の農作物をまかなう大産地だけに、出荷量が減ればしわ寄せは全国の台所に及ぶ。
ニンジンの入荷が通常の10分の1程度に減ったため、桐生青果では急きょ、中国産のニンジンを取り寄せた。「中国産は平年なら国内産の半値。今は高値なので4分の1程度で購入できる。品質も以前に比べよくなりました」と関係者。それでも国内産を求める声は大きく、確保している量を分け合っているのが実情だ。
「水をかぶった土が乾き、いつ生産を再開できるのか。回復には少なくとも1カ月ほどかかりそう」といった声も。流通自体が止まっているわけではなく、「ものがなくなるわけではない」と、桐生青果では話すが、気がかりなのは今後の天気。
カレーやシチューで活躍するおなじみの食材も、しばらくは高値が続きそうだ。
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