第22回土木系学生によるコンクリートカヌー大会(土木学会関東支部主催)がこのほど埼玉県戸田市荒川貯水池で行われ、新艇を製作して参加した県立桐生工業高校建設科のチームが準決勝まで進出して大健闘した。
ものづくりとレースの楽しさを実感してもらおうと、毎年8月末に開催される同大会。桐工は2年目の参戦で、生徒8人が土木研究部を結成し、型枠をつくって配合を工夫したコンクリートを塗り舟底のキールを立体化するなど、昨年より鋭角的に、直進性のある、進化したカヌーを製作。梅田湖での試乗で弱かった側面が外側に広がったり水が漏れるなどしたため、コンクリートを塗り重ね補強して大会に臨んだ。
今年の出場は大学・高専の部に10校10チーム、高校の部は21校28チーム。桐工の艇は白に水色のラインが入り赤で「桐生工」の文字も。初参加の前年よりずっとオシャレだ。ただし天候は雨、台風の影響で水は汚かった。
初戦のレースを突破したのは昨年からの経験者、3年女子の吉田遥さんと天笠貴子さんのコンビ。そして準決勝では長沼優汰さんと對比地健さんが乗り、「周りが速くて、追いつこうとこいだ」が、及ばず決勝進出は果たせなかった。少しずつ左に寄ってしまうのは、側面を補修したため左右均等でなくなったためらしい。
指導にあたる宮崎拓也教諭は「大学の部に出ていた足工大のアドバイスももらって、来年も出たい」と挑戦を続ける。2年生の星野航紀さんは「コンクリートを塗ってつくるのが楽しみ。来年はこいでみたい」と引き継ぐ覚悟だ。
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