Quantcast
Channel: ウェブ桐生タイムス
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2430

桐一高で「メンタルプログラム」始動

$
0
0

 全国制覇、ひいては東京オリンピック出場を目指すジュニアアスリートたちに、精神面からも強くなってもらうための「こころのスキルアップトレーニング」が、桐生第一高校の進学スポーツコースで始動した。強化指定クラブ6競技に励む1、2年生男子180人が対象で、東邦大学医学部、認知行動療法研修開発センターとの共同研究の成果をもとに、校医や養護教諭の指導陣が実施する教育プログラム。学校で取り入れるのは全国でも珍しいという。

 校医の関崎亮さんは「スノボで全国大会に出たとき、緊張し不安に押しつぶされそうになった。筋肉はこわばり心臓バクバク、汗びっしょり。その場から逃げたいくらい。メンタルが強くない。ではどうトレーニングすればメンタルが強くなるか」と生徒たちをプログラムに導入した。

 2年前に実施した認知行動療法を軸にした共同研究では、生徒たちの抑うつ状態や不安が改善されたという結果が出ており、養護教諭が中心になって本格的に取り入れる。

 養護教諭の高野千枝子さんは生徒たちに「気分はそのときの考えの影響を受けている」と繰り返した。たとえば「部活で失敗した」という出来事は変えられないが、それをどう考え、認知するかによって、気持ちや行動が変わる。「しなやかな考え方ができれば、ピンチをチャンスに変えられる」と。

 保健室に行ったり部活顧問の先生らに相談できないとき、家や寮に帰ってからひとりでもできるトレーニングとして、スマートフォンやパソコンも用いる。養護教諭の吉田智絵さんは、個人IDとパスワードでサイトに接続し、コラム欄に入力して段階ごとに考え方を変えていく方法を指導した。「プライバシーは守られるので、インターネットを自由に使って、考え方を早く切り替える習慣を身に付けて。部活だけでなく日常生活にも使ってください」と励ました。

 より高い水準の技能や記録に挑むジュニアアスリートには「周囲からの過度の期待」「負傷頻発」「競技成績の不振」といった心理的ストレスがあり、競技不安や燃え尽き症候群などに至ることも珍しくないという。自分でストレスを管理し、競技だけでなく日常でも心身ともに健康でいられるよう、本格的なサポートが始まることになる。
関連記事:


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2430

Trending Articles