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Channel: ウェブ桐生タイムス
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 桐生市内を車で回ると、歓声や音楽が聞こえてきて、運動会シーズンを実感する▼あるラジオで運動会の思い出を募っていた。運動の得意な人、苦手な人、保護者と、いろいろな立場の人が運動会に本当にさまざまな思いを持っていることを知る▼その中で、いまの運動会の現状を嘆く女性の声が心に引っかかった。選ばれた人しか走れないのはいけないと選抜リレーはなく、家族が来られない人が寂しくないよう、弁当は子供だけで食べるという。子供がいないので分からないが「みんな一緒」がトレンドなのだろうか▼確かに走るのが遅かった記者にとっては苦い記憶の方が多い。それでも玉入れ、ダンス、綱引き、棒倒しなど、楽しかった記憶も残っている。のど元を過ぎ、苦い記憶も懐かしい思い出に昇華した▼差別はいけないことだ。いじめはもってのほかだ。しかし、その「芽」になる可能性があるからと、何もかも取り去ってしまっていいのだろうか。「弁当を一人で食べることよりも、友達の家族がまぜてくれたときに『かわいそう』と言われることが嫌だった」。問題は周囲なのだ▼極端に「同じ」を求めることが反発を強め、かえって差別を生んではいないだろうか。(野)
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