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復興ヒマワリ、広がる輪 笠懸小

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 みどり市立笠懸小学校(清水直海校長、児童1003人)が2012年から取り組んでいる「復興ヒマワリ活動」。5年目の今年も、児童らが咲かせた花の種が笠懸町鹿・吹上地区のヒマワリ畑に贈られ、来年に希望を託した。活動から生まれた“第2校歌”には今年初めて手話がつき、同校で定年退職した元教諭からは大きなヒマワリの絵が贈られるなど、被災地に思いを寄せ続ける活動の輪はさらに広がりを見せている。

 この活動は、11年3月の東日本大震災の直後、同小の金子淳二前校長(62)が復興ボランティアで訪れた福島県南相馬市で譲り受けた2粒のヒマワリの種を持ち帰り、児童らとともに育てたのが始まり。翌12年に咲いた花から採れた種を全校児童らに配り、校庭や家庭で育てているほか、吹上地区でヒマワリ畑を育てている地元団体・上鹿田むらづくり推進協議会にも寄贈している。

 今年も、同地区で7~10日に開かれた「ひまわりの花畑まつり」で8日に贈呈式が行われ、同小の5、6年生18人でつくるJRC委員会(武井沙樹委員長)の大平梨乃さん、岩崎まどかさん、星野翠人君、青木優斗君、高橋和花さん、箱田優希さんの6人が協議会の関係者に種を手渡した。

 贈呈式では昨年に続き、同小の“第2校歌”である「ひまわりの花畑」の合唱も行われた。障害を持つ仙台市の詩人・大越桂さん(27)が同小のために作った歌詞に、音楽ユニット「ポワゾン」の岡田清光さん(64)=埼玉県熊谷市=が作曲、早坂華織さん(52)=みどり市大間々町=のボーカルでCD化したオリジナル曲だ。

 今回は、JRCメンバーと1年生有志34人が合唱。みどり市の手話サークルの指導を受けた手話を初めて織り交ぜ、歌声をヒマワリ畑に響かせた。

 今年の種の収穫に先立つ2月には、14年3月に同小で定年を迎えた元教諭で画家の羽鳥美惠子さん(太田市藪塚町)が、復興ヒマワリをモチーフにした油絵を同小に贈った。羽鳥さんは同小に在職中、金子前校長らが最初に咲かせたヒマワリの花をスケッチしていた。これをもとに、清水校長が絵画の制作を依頼。吹上地区のヒマワリ畑と赤城山を背景に、力強く咲く絵を描き上げた。

 清水校長(59)は、「笠懸小の子はいつまでも震災を忘れず、被災地に思いを寄せ続ける。そんな思いやりの心を育てるために活動を続けていきたい」と、ヒマワリの種を未来につなげたい考えだ。
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