高齢者交流サロン「みんなの茶の間」が8日、桐生市梅田町一丁目の長沢石油そばにオープンした。独居の高齢者をはじめ、だれもが気兼ねなく過ごせる場所をつくろうと、NPO法人桐生市ボランティア協議会(宮地由高会長)が運営する取り組みで、鳳仙寺の所有する空き家を改装した。ちょっとくつろいだり、おしゃべりしたり、レクリエーションを楽しんだりと、使い方はいろいろ。利用は無料で、コーヒー・紅茶は100円のセルフ、400円でランチも食べられる。「長年温めてきた事業。これを試金石に他地域でも展開できれば」と、宮地さんは話す。
年齢を重ねて一人暮らしになっても、住み慣れた地域で自分らしい生活が送れるよう、ボラ協では8年ほど前から、高齢者の居場所づくりについて研究・研修を重ねてきた。
2010年には、新潟市で「地域の茶の間」づくりに取り組む河田珪子さんを招き、地域の誰もが気軽に利用できる居場所を設けることで、孤独の解消や情報の共有、新しい人間関係の創出につながる事例を学んだ経験も。
今回オープンした「みんなの茶の間」は一般住宅を改装したもので、新たに床を張り替えた洋間など3部屋にキッチン、トイレといった間取り。
旧天神町三丁目とも隣接しており、おりひめバスの梅田町一丁目と天神町三丁目のバス停のほぼ中間に位置する。
7日には内覧会を兼ねた開所式が行われ、運営するボラ協の役員や桐生市第10区・14区の区長、各町会長、民生委員、児童委員、市保健福祉部長らが顔を合わせ、一緒にランチを食べて開所を祝った。
高齢社会の到来に合わせ、誰もが住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、各地で地域包括ケアシステムの構築が進む。「みんなの茶の間」のような民間団体が運営する常設型の交流拠点は、いわばそれを側方支援する仕組み。
利用時間は午前10時~午後4時で、土・日曜、祝日は休み。ボラ協のスタッフや近所の女性たちが交替で常駐する。日替わりランチは肉・魚定食とも400円、持ち込みも可能だ。
11月のイベントは初心者麻雀(マージャン)教室(9日午後1時から)や写仏(14日午後1時から)、懐かしの映画会(16日午後1時から)、天ぷらそば会食(22日、限定20食)など。いずれも予約不要で、希望者は直接会場へ。
宮地会長は「全員ボランティアなので、イベントのお手伝いなど、支援は大歓迎。誰もが気兼ねなく立ち寄れる場になれば」と期待を寄せている。
問い合わせは桐生市ボランティア協議会(電0277・55・0170、ファクス0277・70・6789)へ。
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