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防災意識は“横ばい”、桐生市「市民の声」アンケート

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 防災の具体的な備えなし2割、水や食料の備蓄なし5割―。桐生市民の防災への備えが2年前の前回調査時とほとんど変わらず、防災意識が“横ばい”の状態であることが、今年度実施された同市の「市民の声」アンケートの調査結果で明らかになった。同市は「防災意識の高揚に努めていく必要がある」としている。

 同アンケートは、市政への市民の意識や要望を把握して政策に生かそうと、市が1971年から隔年で実施。22回目の今回は今年7月、無作為抽出した20歳以上の市民2千人に郵送で行い、1067人が回答した。

 防災についての設問は、暮らし満足度などを聞く基本調査8項目とは別に、特定分野を調査した特定調査項目の一環。「日ごろの備え」や「水や食料の備蓄」、「自宅以外の避難先」など5項目を調査した。

 「日ごろの備え」の設問に対する回答(複数可)で最も多かったのは「具体的な備えはしていない」の19・9%。同じ選択肢で調査した前回もトップの21・2%で、防災の備えをしていない人が約2割に上る状況にあまり変化がないことが分かった。

 次いで多かったのは「家族との連絡方法の確認」17・1%(前回比0・6ポイント増)と「非常用持出品(非常用ラジオ、懐中電灯、医薬品など)の準備」17・1%(同2・6ポイント減)、「水や食料の準備」16・5%(同増減なし)、「避難場所や経路の確認」13・7%(同3・9ポイント増)だった。

 「水(1日1人3リットル)や食料は家族何日分の備蓄をしているか」との問いに、最も多かった回答は「用意していない」47・3%。同じ選択肢で調査してトップだった前回の43・3%を、さらに4・0ポイント上回った。

 次いで「2日分」14・7%(前回比0・8ポイント増)、「3日分」13・1%(同0・8ポイント減)、「1日分」9・4%(同増減なし)、「4~6日分」6・0%(同1・1ポイント増)、「7日(1週間)分以上」3・4%(同1・8ポイント減)だった。

 また今回初めて設けた「自宅以外のどこへ避難しますか」との問いには、「避難所・避難場所指定の学校や公民館など」が52・1%と過半数を占めた。その一方で、「特に決めていない」が23・2%にも上り、避難場所や避難経路の事前確認をしていない人が2割超に上ることが分かった。

 ただ、「地域の防災活動に参加したいか」との問いには、「参加したい」「どちらかといえば参加したい」の合計が62・8%で、同じ選択肢で調査した前回を6・8ポイント上回った。

 市は調査結果の中で「家庭における備えが十分ではない結果となった。今後も啓発を続け、家庭における防災意識の高揚に努めていく必要がある」と指摘。その一方で「地域防災への理解は深まっており、自主防災活動を支援するとともに、未組織地域に啓発していく必要がある」としている。
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予習と復習

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 遅い遅い夏休み、青森の名所を巡るバスツアーに参加した。青森を訪れるのは十数年ぶり2回目。再訪となった三内丸山遺跡ではいまだ発掘調査が続いていた▼高校時代、修学旅行前には「旅行ノート」を提出するのが決まり。当時は小説の影響で密教にはまっていて、食べ物や土産物はそっちのけで、曼荼羅や仏像、寺の伽藍などをやけに詳しく調べた▼ツアーと油断し下調べせずに臨んだ今回の旅。旅券や宿泊場所の心配はなく、奥入瀬渓流やねぶたの家ワ・ラッセ、太宰治記念館「斜陽館」など、主要な訪問地ではきちんとガイドがつく。ひとり旅では気後れし、あまり頼めないサービスだ▼ただ自由時間では一気に不慣れな旅人に。青森市内では出発時間が迫る中、道端に並ぶ店に飛び込んでリンゴを買い、名物ののっけ丼をかきこむことに。どちらもおいしかったので問題はないが、予習は大切と実感。予習しすぎるのも時に問題だが、行かなければ出会えない感動はあるのだから▼奥入瀬渓流では紅葉の見ごろは終わっていたが、赤や黄色の落ち葉と緑のコケとシダ、数日前に降った雪が残り、いまだけの美しい風景が広がっていた。記憶が薄れぬうちに復習だけはしておこう。(
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古民家で昔の暮らし 梅南小児童が初体験

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 明治初期までに建てられた古民家の桐生織塾(桐生市梅田町一丁目、新井求美塾長)で、子どもたちが「昔の暮らし」を初体験した。桐生市立梅田南小学校(濁川充校長)の3、4年生で、同じ梅田に住んでいても生活様式は全く違う。15日には3年生27人が訪れ、玄関の武具やいろり、かまど、地機などに驚きの声を上げていた。

 徒歩で来訪して茶畑を通り、立派な門をくぐって来た子どもたち。新井夫妻に迎えられて玄関に入ると、たたきの土間。見上げると武具が飾ってある。吹き矢、袖がらみ、とび口、木刀などで、「持ったことはありませんが、泥棒よけでしょうか」と新井塾長。

 奥に入るといろりに炭火がおきていて、火吹き竹で火勢をあおったり灰を噴き上げてしまったりの体験も。消しつぼ、鉄瓶、五徳、手あぶり、水車跡、さらに箱段、ゆがんでみえるガラスと、子どもたちにとってはまさにワンダーランド。

 座敷にかかる油彩肖像画は「青木熊太郎さん。桐生で最初の織物会社、成愛社をつくった一人です。羽二重や繻子(しゅす)を織りました。働く人たちに手当や教育もしました」と説明を受けた。

 そして地機の体験。腰にベルトをし、右足の先にはひも。体全体で、機械の一部になって織る。チャレンジした腰塚紫稀さんは、足を引いて経糸(たていと)を上げ、すきまに大きな杼(ひ)で緯糸(よこいと)を通して手前に押さえ込むと、織機ごと揺れてびっくりした様子。周りの子どもたちも「わあ」「壊れそう」と心配したが、「これで布になっていきます」と聞いてほっとし、楽しんでいた。
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「弓棚式高機」を復元、伝統の黒繻子織った手機

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 江戸から明治期にかけて、彦部家をはじめ桐生地域周辺で使われていたとみられる弓棚式高機(ゆみだなしきたかはた)の復元が、同家(桐生市広沢町六丁目、彦部篤夫当主)で進められている。木と竹による織機に糸綜絖(そうこう)も苦心の末に完成、竹筬(おさ)に980本の経(たて)糸を通して、織り立てる。彦部家では文政9(1826)年に知行が桐生で初めて黒染め繻子(しゅす)の製織に成功、前当主まで7代にわたり織物業に携わってきた。「中世の武士」から「近世の織物業」へ、歴史をいまによみがえらせる作業だ。

 重要文化財・彦部家住宅の後援会「鳳純会」による復元プロジェクト実行委員会(朝倉泰委員長、10人)が4月から取り組み、桐生法人会の助成を受けた。まずは弓状の竹のバネを使って経糸を上げ下げする高機を復元、踏み竹も同家の竹林から採取した真竹を利用している。

 織機は市内の収集家から譲られた木枠をもとに、新潟県十日町市に残る資料などを調査研究、不足部分を北村建設や大沢木工の協力を得て補った。長さは3・3㍍もあり、江戸後期に黒繻子を織った手機と推定。今後さらに糸綜絖、踏み竹を倍の8枚・本にして、細い経糸が長く表に出てつややかな繻子織を完成させる。化学染料が入る前にどんな草木でどう染めたか、黒染めの研究も進める。

 プロジェクトは5年計画。同家には室町時代、足利将軍義輝の侍女小侍従から彦部雅楽頭晴直にあてた「仁田山紬(つむぎ)注文書」(桐生市指定重要文化財)が伝わり、関ケ原合戦に際しては徳川家康軍が桐生に旗絹を発注、同家の竹が旗竿(はたざお)として使われたという歴史もある。高機以前の居坐機(いざりばた)で仁田山紬や白絹を製織復元する作業も視野にある。

 朝倉委員長は「ウチの染布も元は黒繻子の仕上げ」といい、近世桐生の織物の世界をふくらます。「興味のある人たちに集ってもらい、ゆくゆくは教室を開くなどして新たな桐生の魅力を発信したい」としている。

 まずは同所イベント「紅葉狩りウイーク」中の21日午後1時~同4時、22日午前10時~午後4時、一般公開と体験会を実施する。問い合わせは同家(電0277・52・6596)へ。
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紅葉の里づくり

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 当地の山々も紅葉の美しい季節を迎えた。日照不足などの影響で色づきが心配されたが、時期がくればちゃんとそうなる、自然の営みに改めて驚く▼きのう訪れた、みどり市大間々町小平地区も夏の山とは打って変わり、絵のように染まっていた。訪れたのはその景色が目当てではない。秋の観光の目玉にしようと、5年近く前に地元住民らが小平の里に植えたモミジがきれいだという連絡をもらったからである▼春から夏にかけては鍾乳洞や親水公園、キャンプ場などを利用する家族連れなどでにぎわい、冬は約600本のロウバイが咲き誇るが、秋はこれといった資源がなく観光客がめっきり少なくなる。このため、「紅葉狩りが楽しめれば秋の観光客が増え、地域の活性化につながるのでは」と計画したところ、有志が苗木約200本を無償提供してくれたのだという▼植えた苗木はモミジの代表種であるイロハモミジ。成長すると樹高は10メートル以上になり、10月から12月に黄褐色から鮮やかな紅色に紅葉して散る。現在の樹高は3メートルほどとなり、存在感を示しつつある。あと数年もすれば期待どおりの「紅葉の里」になるかもしれない。紹介できる日が楽しみだ。(ま)
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桐一高「桐桜学舎」作品展、初の一般公開

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 桐生第一高校の桐桜学舎(桐生市堤町一丁目、水道山中腹)で学ぶ生徒たちの作品展が19、20日(午前10時~午後5時、最終日は同4時まで)に開催される。1~3年生53人の作品約120点を展示、一般公開する。

 桐桜学舎は15年前に設立された文化教養コースの専用で、中学校時代に不登校だったり、集団生活が苦手で持てる力を十分に発揮できなかった生徒たちを応援するコース。改めて高校に入り、小集団での授業や体験学習を通して精神的安定と自立を第一に、学力向上と将来的な自己実現を図る指導、支援が行われてきた。出席率、進学率も高まり、近年は国公立大学に合格する生徒も出ている。

 今回初めて一般に公開して、美術の授業で生まれた成果を披露する。作品は鋳造指輪、切り絵、ステンシルバッグ、エッグキャンドル、七宝、缶バッジ、寄せ木アート、仮面、皮革キーケース、砂絵などで、生徒たちの日々の一生懸命さが感じられる作品という。来場者は缶バッジの作製体験もできる。

 校舎は宮前町一丁目交差点から水道山に上る途中の住宅街にあり、坂の右手に立てた看板が目印。問い合わせは同学舎(電0277・22・6100)へ。
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みどり市、来年度から給食無料化へ

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 みどり市は16日、2017年度の予算編成方針を公表した。合併特例法による財政特例措置が21年度に期限切れとなるのを控え、財源不足への危機感と経費縮減を呼びかけた上で、17年度の重点施策として「地域創生総合戦略」「まちづくり整備」「安全安心」「健康増進」の4本柱を掲げた。地域創生では、少子化対策の目玉と位置付ける「学校給食の無料化」を17年度から始める方針で、初年度は食材費など約2億2000万円の支出を見込んでいる。

 同市の財政は、06年3月の旧笠懸、大間々、勢多郡東3町村合併から10年目の15年度までは地方交付税が旧町村時代のまま算定されてきたが、合併11年目の16年度から段階的に減額され、16年目の21年度からは新市分だけの一本算定となり、現在より13億円近い歳入不足を見込んでいる。

 これを見据え、同市は11年度予算編成時から、義務的経費を除く経常経費について、各部署にあらかじめ予算枠を示して前年度以下に抑える「枠配分方式」を導入し、コスト縮減に努めている。

 17年度予算編成に当たっても、引き続き枠配分の範囲内でゼロベースでの積算を基本にするよう各部署に指示した。

 現状では、各部署への聞き取り(サマーレビュー)で歳出見込み額が前年度より約8億円増、交付税の段階的削減の影響などで歳入は約3億4000万円の減額を見込んでおり、全体の歳出要求額に対して19億円超の財源不足が生じていると指摘。各事業の手法や頻度、契約方法などを見直し、経費圧縮に努めるよう指示した。

 重点施策では、国の地方創生戦略に基づいて市が策定した「総合戦略」を本格化させるため、人口減対策の目玉と位置付ける学校給食費の無料化を17年度から実施する方針。また、市の玄関口である阿左美駅周辺整備や、都市公園整備などを中心に「未来につながる都市整備への着手」「未来創生のための戦略推進」など4項目の基本方針を掲げ、予算編成に取り組むとした。

 17年度予算案は来年2月にもまとめ、市議会に提案する。
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天災は忘れたころに

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 先の桐生市の市民の声アンケートで「防災の具体的な備えなし2割」「水や食料の備蓄なしが半数」という結果が出た。

 これを自分の問題として見直してみると、東日本大震災直後と比較して気が緩んでいるとは思わないが、知らず知らずモノが増えて通路を狭めたり棚に積み上げたりと、生活態度として身についていないことがまだまだ多いと気づき、反省もわく。

 防災とは何か。官民あらゆる立場の人が広い視野から身近なところから、つねに意識を更新していかねばならないと、あらためてそう思うのである。

 1934年の室戸台風は甚大な被害をもたらし、その後の気象予報のあり方を大きく変えるきっかけとなった。教訓を洗い出し、時代にふさわしい防災のかたちを提示し、人々に意識を植えつけていく方法論は、現代もなお試行錯誤の連続だ。

 「天災は忘れたころにやってくる」。寺田寅彦の名言は、弟子の中谷宇吉郎の著書を経て世に広まった。その裏づけとされているのが34年11月に発表された随筆「天災と国防」である。

 高名な科学者が忘れてならないと戒めたものはひとつに「日本はその地理的の位置がきわめて特殊であるために特殊な防備の必要を生じると同様に、特殊な天変地異に絶えず脅かされなければならない運命のもとに置かれていること」。そして「文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈の度を増すという事実」。これを説明するのに使ったのが、畿内の影響がたちまち全国に波及した直近の室戸台風の実例だった。

 「戦争はぜひとも避けようと思えば人間の力で避けられなくはないであろうが、天災ばかりは科学の力でもその襲来を中止させるわけには行かない」。寺田は自然変異をこのように位置づけ、非常時という国際関係の不安と、これをあおりたてるように起きる天変地異とを冷静により分け「悪い年回りはいつかは回って来るのが自然の鉄則であると覚悟を定めて、良い年回りの間に充分の用意をしておかなければならないのは明白すぎるほど明白なことであるが、これほど万人がわすれがちなこともまれである」と。そして「少なくも一国の為政の枢機に参与する人々だけは、この健忘症に対する診療を常々怠らないようにしてもらいたい」と書いた。

 防災とは何か。意識の更新を助けてくれる名随筆である。
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日本民族学の祖

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 医師であり博物学者であったドイツ人、フィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルトの没後150年記念展が、国立歴史民俗博物館などで相次いでいる。2度の来日で収集したコレクションはとてつもなく幅広く膨大で、幕末日本のあらゆる階層の暮らしのタイムカプセルだ▼唯一西洋に開かれた窓であった長崎出島に着任したシーボルトは、薬草を手始めに植物に関心が高かった。江戸参府の機に我らがカッコソウも、和紙にはさまれた標本を入手している。日本の本草学の高度さを知っており、きざみ煙草色々や歯磨き粉梅見散、伊吹山もぐさなども無視しない▼ニホンオオカミも数頭、鳥は雌雄、オトシブミは好きだったらしく、海藻に貝、鉱物各種の標本まで、未知の国の森羅万象を手に入れた。家屋模型、染織衣類、陶磁漆工木工金工、仏像、彫刻、絵画、装身具、玩具、仮面、各種道具、銭貨、そして地図も。「日本博物館」構想もあった▼しかし人間は到底無理だ。門人たちや通詞、絵師はもちろん、彼は愛する妻タキや娘イネとも別れねばならなかった。息子を同道して再来日したシーボルトに、タキは会おうとしなかった。人情の機微は、科学でままならない。(
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介護に子育て世代の視点、情報冊子を発行

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 介護事業などを手がけるCOCO―LO(ココロ、桐生市相生町二丁目、雅樂川陽子社長)が11月、NPO法人キッズバレイ(星野麻実代表)のプロジェクト「ままのWA」の企画協力で情報冊子「ココロ日和」を発行した。介護職とは異なった子育て世代の視点を取り入れて介護に関する情報を発信することで、介護を受ける人、携わる人たちの生き生きとした姿を伝えていく。

 同社はこれまで年6回、「ココロニュース」として社内イベントの様子や介護に役立つ情報などを両面刷り1枚で掲載し、施設利用者をはじめ関連事業者・病院などに配布していた。

 「ココロ日和」は、幅広い人たちに介護をより身近に感じてもらおうと、「ココロニュース」を発展させたもの。「身近に、おしゃれに」をコンセプトに、子育て世代の視点を冊子作りに取り込もうとの「ままのWA」に企画協力を依頼して製作。介護を受ける人たちの充実した生活や、楽しみややりがいを感じて介護に取り組む人の姿などを紹介した。

 企画協力の「ままのWA」は桐生・みどり両市で母親たちが子育てや暮らしを楽しみながら働ける環境をつくろうとするプロジェクト。今回は代表の星野さん含む4人のメンバーが冊子の企画立案から参加し、表紙やタイトル、レイアウトなど幅広くアイデアを提供した。

 「ココロ日和」の製作に関わることで「子育て世代、子どもたちが『介護がすてきに感じられる当たり前』をつくっていきたい」と話す星野さん。「子どもから高齢者まで、世代をつなぐ企画を提案していきたい」と話している。

 冊子「ココロ日和」は年間4回発行で次号は来年2月に発行予定。問い合わせは同社(電0277・55・5422)へ。
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屋外広告物条例提案へ 桐生市が独自規制可能に

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 桐生市は18日午前、30日開会の市議会定例会に提案予定の議案を発表し、屋外広告物を市が独自に規制する条例案を提案することを明らかにした。桐生ならではの地域特性に応じた景観づくりを誘導するため、屋外広告物を規制する県から権限移譲を受けて市条例を制定するもので、施行日は来年4月。県条例の現行規制をおおむね引き継いだ内容だが、市独自の規制地区を設けることも可能になる。

 市は2012年の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定などを踏まえ、13年に独自規制がかけられる「景観行政団体」に指定。桐生ならではの地域特性に応じた景観づくりを誘導するための施策に取り組んでいる。

 今年4月には新たな景観条例と景観計画を施行し、市全域の建築行為に対する色彩などの新ルールを決定。これまで県条例で規定されていた屋外広告物についても、県から権限移譲を受けて市独自の条例制定を目指す。

 条例案では、許可を受けることで広告物を表示できる「許可地域」と、原則表示してはならない「禁止地域」を設定。許可基準や適用除外、許可申請方法、違反した場合の罰則なども定めた。

 このほか、良好な景観の形成・保全が必要な地域を指定して独自の規制をかける制度も設定。その一方で、市民の混乱を招かないよう、県条例の現行基準をおおむね引き継いだ内容としている。

 屋外広告物条例を制定済みの県内市町村は、前橋市、高崎市、伊勢崎市、太田市、藤岡市、富岡市、下仁田町、中之条町、川場村の9市町村。
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体面よりも

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 遠い日本の片田舎の新聞社では、情勢分析をする必要もないし、分析する材料もろくになかったが、それでもいろいろな情報を伝え聞くにつけ、たぶんクリントンさんが勝つのだろうなと思っていた。ふたを開けてみればトランプさんが、全体票では負けているようだが、選挙人の数では勝利。よほどのことがない限り、米国の次期大統領に就任することになった▼投票後の調査でも、クリントンさんが僅差で勝つと報じるメディアが多数。確かに票数では間違っていない。だけど選挙には負けた。一部から選挙人制度の改変を唱える声も出ているようだが、後の祭り▼結果を受けてのインタビューを見たら、トランプさんの支持者が「トランプに投票したというと、“差別主義者”に見られるので言えなかった」と話していた。女性差別、人種差別的な発言や振る舞いで耳目を集めたトランプさんだから、さもありなん▼逆に言えば、差別主義者にみられるかもしれないリスクを背負いながらも、米国民の半数近くがトランプさんを支持した。体面よりも期待。それが米国の判断。米国の現状なのだ▼たぶん飛び火する“対岸の火事”ではあるが、遠い日本の片田舎では、推移を見守るだけである。(
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西宮神社「えびす講」始まる あすまで

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 〝福の神〟で知られる桐生西宮神社の恒例「えびす講」が19日から始まった。朝からの冷たい雨に、参拝客たちの出足はゆっくり。それでも、午前中の参道には拍子木のリズムと「商売繁盛」の掛け声が響きわたり、にぎわいの光景が現れていた。

 1901年に兵庫県西宮市の西宮神社から関東唯一の直系分社として勧進された同社。にぎわいは「関東一」とも言われ、桐生みどり地域の人びとに広く親しまれている。

 朝から雨にたたられ、初日の出足はいまひとつ。熊手を扱う店の男性は「遅くなれば雨が上がる予報なので、それを待って人出も増えるのでは」と、天気には勝てないといった表情。

 前橋市粕川町から来た女性3人連れは、「毎年楽しみにしています。黒猫の飾りがついたお宝を買いました。昨年よりも大きいものをと思うけれど、財布の方が大きくならないので」と笑顔を見せていた。20日午後10時まで。
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新桐生市民体育館の建設場所決まる

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 桐生市の亀山豊文市長は18日午後の定例記者会見で、同市運動公園(相生町三丁目)内に建て替える市民体育館の移設場所を、現在地の約100メートル南にある桐生球場サブグラウンド(付属球場A・B)に決めたことを明らかにした。また、市陸上競技場(元宿町)を現在地で全面改修する方針も表明。両施設とも、合併特例債が活用可能な最終年度である2020年度の完成を目指す。

 1969年の完成から47年が経過し、老朽化が進む市民体育館。市は運動公園再編を検討する中で今年6月、体育館を公園内に建て替える方針を表明し、市内他施設との機能分担をにらんだ施設配置を検討していた。

 新体育館はサブグラウンドの中央約4500平方メートルに整備する。述べ床面積は約2割増の約6400平方メートル。現在と同規模のメインアリーナ(バスケットコート2面分)やトレーニング室のほか、武道館としても使えるサブアリーナ(同1面分)を新たに設ける。

 市は30日開会の市議会に提案する今年度補正予算案に、設計業務委託料約8400万円を計上。来年度末までに設計し、18年度中に市議会議決を経て着工、合併特例債が活用可能な20年度の完成と供用開始、現体育館解体を目指す。30億円前後の総事業費を見込む。

 新体育館着工後は、軟式野球などで親しまれてきたサブグラウンドが使えなくなることから、市は現体育館の約100メートル北西(桐生球場北)のソフトボール場(付属球場C・D)を事前に拡張するなどして、公園内で機能を補えるよう検討中。また現体育館解体後の敷地は駐車場にする。

 一方、64年の完成から半世紀以上が経過している市陸上競技場。老朽化で必要最小限の補修を繰り返してきたが、市は今回初めて現在地で全面改修する方針を示した。

 陸上競技やサッカー、ラグビーなどにも対応可能な多目的競技場としての活用も検討。新体育館と同じく、合併特例債の活用可能な20年度中の完成と供用開始を目指す。

 市は、陸上やサッカー、ラグビーなどの競技団体や有識者らでつくる検討組織を年度内に新設。改修規模を含めた整備内容の検討を早急に始めたい考えだ。

 亀山市長は両施設の整備について「子どもやお年寄り、障害者など、だれにでも優しい施設を基本コンセプトとし、健康や環境、防災面などにも対応したい。競技スポーツの拠点施設としてだけでなく、全市民に必要な機能を併せ持つ施設としたい」としている。
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3年連続の重み

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 もう14年前になる。2002年のこと。桐生市役所で不祥事が相次いだ▼4月に事業担当助役が公然わいせつ容疑で逮捕。5月には建設部職員による市営住宅敷金の着服が発覚し、9月には経済部職員が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕された▼先輩記者とともに桐生市政を担当していた当時、市役所に家宅捜索が入る場面を何度も取材した。わずか1年足らずで3人の逮捕者を出す異例の事態だった▼今月19日に同市職員が栃木県迷惑防止条例違反容疑で現行犯逮捕された事件。14年6月の列車内盗撮、15年7月の酒酔い運転に続き、3年連続で市職員(臨時職員含む)の逮捕者が出た。再び相次ぐ不祥事に、古い話を思い出した▼今回逮捕された職員は4月に新規採用、試用期間を経て10月に本採用され、9月末には公務員としての行動について研修を受けたばかりだった▼個人の資質の問題であることは否めないが、繰り返されれば組織の問題が問われる。「常に公務員としての自覚を持ち続け、職員としてふさわしい行為かどうか、自ら主体的に判断して行動を」。繰り返される職員向けの通知が“絵に描いた餅”になってはいないか。3年連続の重みをしっかり受けとめてほしい。(針)
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笠懸鹿で住宅全焼、焼け跡から遺体、家人か

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 19日午後5時半ごろ、みどり市笠懸町鹿、無職岩崎正典さん(72)方が燃えていると近所の男性から110番通報があった。木造平屋建て住宅約140平方メートルを全焼し、焼け跡から1人の遺体が見つかった。

 桐生署によると、岩崎さんは1人暮らしで、連絡が取れなくなっている。遺体の身元確認と出火原因を調べている。

 近所の男性(73)は「火災に気づいて岩崎さん方に行き、『火事だぞー』と叫ぶと、風呂場の方から『動けないんだ』と返事があったが、火の海で助けることができなかった」と肩を落とした。岩崎さんは病気の影響で視力が低下し、不自由な生活を送っていたという。

 現場は県道大間々世良田線沿い、セレモニーホールはなりきそば。
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桐生市職員3年連続逮捕者、電車内で女子高校生触る

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 電車内で女子高校生の膝を触ったとして、栃木県警栃木署は19日、同県迷惑防止条例違反(ひわいな行為の禁止)の疑いで、桐生市職員の高山佳容疑者(32)=同市仲町=を現行犯逮捕した。

 逮捕容疑は同日午前8時55分ごろから同9時5分ごろまで、JR両毛線岩舟―栃木駅間の下り電車内で、ボックス席の向かいに座っていた栃木県内の女子高校生(18)の右膝を触り続けた疑い。

 同署によると、女子生徒が栃木駅で駅員に通報し、駆けつけた署員に引き渡した。高山容疑者は容疑を認めている。

 桐生市人事課によると、高山容疑者は今年4月に新採用職員(技師、上級生物)として市民生活部環境課に配属され、大気や水質などの調査を担当。試用期間が終わる9月末に公務員としての自覚を促す研修を受け、10月1日に正式採用されたばかりだった。
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「介護助手」来月から育成、65~75歳で人材不足カバー

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 不足する介護人材の充実を図るため、介護の現場で補助的な業務を担う60~75歳の「介護助手」の人材づくり事業が12月から、桐生市川内町一丁目の介護老人保健施設かがやきと、みどり市大間々町桐原の介護老人保健施設プランタン大間々で始まる。11月18日には両施設が事前説明会をそれぞれ開催。地域の有志らが参加し、施設の紹介や介護助手の仕事内容の説明を受けた。

 介護助手の人材育成は、県の「地域医療介護総合確保基金」の助成を受けたモデル事業として、県老人保健施設協会が行うもの。県内11の老人保健施設で介護助手人材づくり事業が実施される。

 介護助手とは、施設内の部屋の清掃、食事の片付け、ベッドメーク、利用者の話し相手など、介護の補助的な周辺作業を担う人材。今回実施するモデル事業は、介護の現場にシニア世代を取り込み人材不足を補うと同時に、介護補助を務めるシニアの人たちの健康増進、生きがいづくりを図る取り組みだ。

 モデル事業の実施期間3カ月で、各老人保健施設にパート職員として勤務しながら自立支援に向けた介護を学ぶ。面接で採用を決定し、個人の特性や介護経験の有無、知識などを考慮して業務を決定。契約期間終了後は、それぞれ施設ごとに採用を判断する。

 18日に介護老人保健施設かがやきで行われた事前説明会では、施設職員が介護助手の仕事内容や認知症に関する基礎知識などを解説。実際に施設内を案内し、介護で配慮しているポイントなどを説明した。
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コンパクト化の課題

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 えびす講で熊手を売る露天商と立ち話をした。縁起をかつぐ飾りものは、昔と変わらぬ風景のように見えるが、10年単位で眺めてみれば、小さな変化はあちこちにあるという。熊手のデザイン一つとっても、徐々に変わっているのだそうだ。

 昔の熊手はもっと横に広く、面積で華やかさを演出していた。それに比べると最近のものは横幅がせばまり、その分、奥行きを持たせるような形に変化している。縁起物の飾りも折り重なるようにして密集させ、立体的に造詣されているのだそうだ。言われてみれば、たしかにぎゅっと詰まっており、かたちも円形に近づいている。

 見た目の華やかな印象は変えることなく、できるだけ飾る場所をとらない形を模索する。買い手側の要望にこたえようと試行錯誤する、つくり手たちの小さな工夫が見えるようで、ずらりと並んだ熊手のデザインをしばし見比べて楽しんだ。

 時代とともに私たちの暮らしのサイズ自体が変化しており、よりコンパクトなものを求める傾向にある。これは実感でもある。神棚にまつるお宮を扱う露天商の夫妻は、今ではめっきり売れなくなったと、あきらめ顔で語っていたが、アパートやマンション暮らしでお宮を置くスペースのない家庭も増えており、これも仕方のないことか。

 コンパクトなものを開発するには、それなりのアイデアが欠かせない。そこは日本人の得意とする分野でもあり、サイズを落としながらも性能や品質は向上させようと、逆境の中から新たな技術を生み出すといった事例には事欠かない。資源に限りのある国だからこそ、コンパクトを求める価値観がはぐくまれるのだが、技能者たちが知恵を生かして工夫をこらし、その価値観を補強してきたのだと、とらえることもできるだろう。

 人口減少が続き、まち自体のコンパクト化が大きな問題になっている。はるか昔、祖先たちが林野を開拓して住み着いた地域だが、周縁部で空き家や耕作放棄地が増えれば、開拓前に暮らしていた野生動物たちがふたたびその地に入り、生息域を取り戻そうとする。イノシシやサル、シカ、クマと人間との衝突も、こうしたコンパクト化の一現象なのだと思う。

 知恵と技術で乗り切れるほど簡単な問題ではないが、避けて通ることもできない。丹念に解いていくしか方法はない。
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嫌いになれない

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 寒いのが苦手だ。手足が冷たくなるし、治ったはずの古傷がぎしぎしするし。服を着こめば体の動きが鈍って温まらない悪循環。それでもこの季節を嫌いになれないから、困ったもんである▼ぐっと冷え込んでからこっち、星がきれいな夜があって、白い息を吐きだして見上げた空は季節がゆくのを教えてくれる。カペラにアルデバラン、リゲル、シリウス、プロキオン、ポルックスをつなげば“ダイヤモンド”ときらびやかな名がつくけれど、その六角形はどうにも亀の甲羅に見えて仕方なくて、空をのっそのっそと歩くさまを想像しては笑った▼ゆるりと通る風は冷たくて、乾燥しているのに少し湿っていて、優しい夜の匂い。空気が冷たいから美しく見えるものがあって、好きなものがある▼そうそう、えびす講の日に祖母がふるまうけんちん汁も楽しみの一つ。煮込んで寝かせて丸一日。しっかり味がしみ込んだ野菜に、ほろほろ崩れた豆腐、やけどしそうに熱いこんにゃくが魅力。はふはふ言いながら食べると、のどまでやけどするようで、季節を実感する▼十五夜にも十三夜にも作るけんちん汁。材料も作り手も同じだけれど、やっぱり一番おいしいと思うのは今時分なのだ。(並)
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