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西町の授業に初参加、姉妹校の黒保根小・中生ら

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 桐生市立黒保根小学校・中学校の児童・生徒30人が29日、姉妹校提携を結ぶ西町インターナショナルスクール(IS、東京都港区、マイケル・ホスキングス校長)を訪問し、初めて授業に参加した。長く行き来を続けている両校だが、前年度から黒保根町国際理解推進事業で英会話レッスンが始まり、テレビ会議システムも導入。より親密な交流を目指している。英語で進められる授業の初体験も、バディ(仲間)を組んだ西町の子たちが自然に日本語で説明役をつとめて学びと友好を深めた。

 西町ISは創設者の松方種子や姉のハル・ライシャワー元駐日大使夫人の祖父が黒保根出身の絹貿易商新井領一郎という縁で、鹿角にキャンプ場を有し、黒保根小には田植え稲刈りなどで定期的に自然体験学習をしてきた。

 日本の公教育でも英語のコミュニケーション力向上、国際理解の推進が求められるようになり、黒保根では西町ISの子どもたちとの交流活動を通して実践的に進められるのが強み。これまで西町へはイベント「フードフェア」に参加してきたが、今回は初めて一緒に授業を受けた。

 黒保根小は5年生8人と6年生6人、黒保根中は1年生7人と2年生9人が、小人数で進められる西町のクラスにバディとともに入った。星野百香さん(小5)は、新聞制作と、翌日のクラス紹介に向けた練習の2こまに参加。「カノンとミアンが説明してくれたので、よくわかった」と話し、昼休みも3人でニコニコ。中学生たちは科学や演劇などのクラスに入り、体験し考えパソコンで調べまとめる授業を楽しんだ。

 黒保根小の印東秀校長は「子どもたちの学習の場であり、教員にとっては研修の機会となった。西町の子はプレゼンテーション能力、コミュニケーション力にすぐれ、親切で、見習うところが多い。低学年からの積み重ねで力をつけていくのだと思う。これからも互いの環境を生かして交流を続けていきたい」としている。
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官民越えて林業活性化へ 「森林共同施業団地」設定

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 林業活性化に向け、みどり市と県、林野庁、わたらせ・桐生広域の2森林組合の5者は29日、国有林と民有林(市有林、私有林など)の垣根を越えて連携し、作業道の整備や間伐などの施業を効率的に行うための「地域森林整備推進協定」を結んだ。同市大間々町と東町をまたいで隣接する国有林と民有林の各一部(計1529ヘクタール)を「森林共同施業団地」に設定し、5者が連携して施業を行うことで、林業コストを抑え、地域材の安定供給と生産拡大をめざす。

 東毛地区では初、県内では通算6例目となる同協定は、国有林を管理する同庁の群馬森林管理署(旧営林署)と、同市内の民有林を管理するわたらせ・桐生広域の2森林組合が連携して森林施業に取り組むもの。

 これまでは、国有林と民有林をつなぐ作業道(路網)がなく、連携も不十分だったため、伐採や搬出などの施業が非効率で、生産や出荷も不安定だった。協定を結ぶことで、所管をまたいだ路網の整備や木材の協調出荷が可能になり、コスト削減や安定供給が図れるだけでなく、官民の技術交流も期待される。

 協定の対象地域は、みどり市の山林のほぼ全域の1万6537ヘクタール(国有林712ヘクタール、民有林1万5825ヘクタール)。このうち東町小夜戸・座間と大間々町浅原・小平の各地区にまたがる1529ヘクタール(国有林407ヘクタール、民有林1122ヘクタール)を「共同施業団地」に設定し、2017年度から21年度までの5カ年で267ヘクタールを伐採、計2万9300メートルの路網整備、約2万立方メートルの木材生産をめざす。

 今回設定する共同施業団地は、関東地方では最大で、同庁関東森林管理局管内1都10県の既存18団地との比較でも3番目に広い“大規模団地”となる。

 同市笠懸庁舎で行われた調印式では、石原条市長と、県桐生森林事務所の石田博文所長、林野庁群馬森林管理署の宿利一弥署長、わたらせ森林組合の田川英二組合長、桐生広域森林組合の高野佳延組合長の5人が協定書に署名した。

 石原市長は「協定を機に、地域の関係者が一体となり、森林の効率的な経営や地域材の安定供給に期待したい」とあいさつ。田川組合長は「地域の林業発展につながる」。高野組合長も「間伐に力を入れる時期にこうした協定を結べて感謝している」と歓迎した。

 宿利署長は「政府をあげて国産材利用を促進しており、木材自給率は一時期の18%から33%に回復している。森林資源の活用にはコスト削減や効率化が必要。協定は一つのスタート。みどり市(の協定)が東毛地区の林業活性化の起爆剤になれば」と述べた。
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桐生っ子の叫び

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 「高い所に逃げよう」。少年は祖母に叫んだ。こわばった顔で、何度も繰り返す。生まれて初めて聞く、津波警報のサイレン。早朝に響く不気味な音が、不安な思いをかきたてる。まだ5歳の幼い少年には、さぞ怖かったことだろう▼少年の名は鈴木大雅君。2011年3月の東日本大震災と原発事故で、故郷の福島県大熊町を追われた両親が、桐生市に避難してきた直後に生まれた。つまり桐生出身。3歳の誕生日を迎える前、両親や祖父母らとともに、故郷に近い福島県いわき市へ移った▼冒頭の場面は11月22日朝、いわき市沖震源の地震発生時。東日本大震災の余震としては、震災当日を除けば最大規模で、震災後に生まれた大雅君にとって、初めて体験する大地震と津波だった。一緒にいた家族も、震災を思い出して足がすくんだという▼桐生市が今年度行った市民意識調査では、防災の具体的な備えをしていない人が2割いた。食料や水を備蓄していない人も5割に上り、2年前の調査より増えたことが分かった▼桐生にも届いたゆっくりとした揺れに、震災を思い出した人も少なくないはず。5年9カ月前の教訓を忘れていないか。わが身を振り返って改めて見直したい。(針)
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「サケ」で守ろう渡良瀬川、プロジェクト本格スタート

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 チャウス自然体験学校(加藤正幸代表)の主催する「ふるさと再発見!『わたらせ川の保全・保護活動』サケプロジェクト」が始まった。10日にはサケの卵の配布とウオーキングイベントを実施する。先月19日には、渡良瀬川を清掃して遡上(そじょう)するサケを観察するイベントを開催。桐生市広沢町の松原橋公園をメーン会場に開かれ、集まった約50人がふるさとの河川環境に目を配った。

 チャウス自然体験学校では日本NPOセンターや東京海上日動などの協力を受け、今季から3年間、渡良瀬川を会場にサケプロジェクトを展開する。

 地域の豊かな環境を次の世代に引き継ぐため、ともに行動しながら人間関係をはぐくみ、担い手を育成することが大きな狙いだ。

 11月19日の取り組みはその第1弾。雨に見舞われた当日は、親子連れを中心に約40人が集まり、河川敷や堤防などを歩いて空き缶や吸い殻、ビニール・プラスチック類のごみを拾った。

 その後、松原橋の上や太田頭首工付近に出向いてサケの遡上を観察。今年は例年にないほどサケの魚影が薄く、この日数匹観察された魚も、コイの可能性が高い。

 それでも子どもたちにとって、川の観察は興味深いようで、じっと見つめては「あそこに何かいるよ」と報告しあう姿が。

 主催のチャウス自然体験学校では今後、10日に「サケの卵の配布と川辺のごみ拾いウオーキング」を、来年2月25日には「サケの稚魚放流とごみ拾いウオーク」をそれぞれ開催する。

 参加は無料。申し込み、問い合わせはチャウス自然体験学校(電0277・52・7799、ファクス52・7791)まで。
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安心安全な水質浄化装置、動物園から誕生

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 桐生が岡動物園のクモザル舎に付属する池の連続水質浄化装置「すーぱーぴーとる」が7年の開発期間をへて完成した。群馬工業高等専門学校名誉教授・NPO法人小島昭研究所理事長で、水質浄化に力を注ぐ小島昭さん(74)=桐生市本町四丁目=が、石井商事(高崎市)と共同で行ったもの。池の水を「すーぱーぴーとる」に循環させて水中の汚濁を除去する仕組みで、11月中旬から始動し、約2週間たった水は透明度を維持している。

 2009年3月に完成したクモザル舎は樹上で暮らし水に入らないクモザルの習性から、ため池が設置されている。池にはアヒルやコイ、カメもおり、動物のえさの食べのこし、排せつ物などで水質汚濁が発生。同園では必要に応じて年に4、5回水を入れ替えてきたが、夏場は2週間で水が緑色に汚れるなど、飼育員の負担も大きかった。

 小島さんは同年から炭素繊維を用いた浄化材を池に入れるなど、クモザル池の水質浄化に協力。一般的な排水処理で用いる薬品を使わず、飼育動物や自然環境に負荷をかけない浄化方法を模索してきた。

 完成した連続水質浄化装置「すーぱーぴーとる」は、池の水をポンプでくみ上げ、三つの水槽(1)ろ過槽(2)黒鉛板・鉄板が入った鉄デバイス槽(3)ろ過槽―を循環して浄化し、処理後の水を池に戻す。特徴は(2)の水槽で、水中に溶けだした鉄によって微細な浮遊物を集めて除去する機能を持つ。

 緑色に濁った水の透明度が向上し、水質の指標でもある水中の有機物、窒素、リンの除去効果が確認できたという。飼育環境向上につながる取り組みに同園は「ありがたい協力。期待しながら池の様子を見守りたい」と話した。

 これまで水質浄化で功績を上げてきた小島さんだが、装置の開発は手探り。炭素繊維浄化材からの切り替え、水槽の壁の高さや循環の工夫など悩みも多かった。「化学物質を使わず、安心安全な材料で水質浄化が可能」と自信を持つ装置の完成に、「ほっとした。フィールドを提供してくれた動物園に感謝です」と笑顔を見せた。

 1日当たりの処理能力は5・8立方メートルで、池の水(80立方メートル)が約2週間で循環する。今後は浄化機能の向上を図り、製品化を進めるとしており、「動物園で始まった取り組みを全国各地に広めていきたい」と話している。
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環境行政を先駆けた

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 国立公園管理員は1953年に発足した制度である。その3期生として環境行政の黎明期を担った大崎清見さんにお話をうかがったのは2006年、新宿御苑のヒマラヤシーダの大木のそばだった。桐生高OB。「ふるさと人国記」の取材である。

 新宿御苑は大崎さんの提案だった。大木近くの洋館が管理員試験会場であったこと、研修員時代は御苑内の建物が「わが家だった」ことがその理由だ。

 日本全国に27あった国立公園に、3期生が加わって29人の管理員。すべてのことを手探りではじめる黎明期で、大仙を振り出しに阿寒、霧島と良好な大自然が保たれた現場で、これをどう守り、市民生活との関係をどう指導していくかを考えながら日々をすごし、現代に通じる環境行政の骨格作りに奔走する。

 関連施設建設における当時の大蔵省との折衝や、保全と開発や利用促進と抑制のはざまにあって予算や法令と格闘した。

 身近な実践と法の理解を柱とする大崎さんの環境論はこうしてたたきあげられたのである。

 宮内庁管理部庭園課にも5年いて、皇居内の樹木を調べあげた。これは国立博物館が2000年に発表した「皇居の生物相調査」の先駆けである。田植えどきにご一緒して、楽しいお話をうかがった思い出を胸に、昭和天皇崩御に伴って1年間、大崎さんは祭官の任務についた。

 年賀状をいただくようになったのは取材の翌年からだ。そこにはいつも近況が添えられていて、今年がちょうど10年目だったが、先ごろご家族から届いた喪中はがきによれば、この春84歳で他界されたそうである。

 退官したのは1985年。その後も環境に携わる数々の役職をこなし、ベトナムの国立公園計画の現地指導や、府中かんきょう市民の会の相談役、さらに大学講義で後進も指導した。

 身の回りの出来事が地球環境にどうつながるのか、想像力によって環境問題への市民意識は高まると信じた大崎さん。「私は税金を使って好きな勉強をさせてもらいました。その恩返しだから」と、ボランティア活動には精力的に取り組んだ。

 宮城村の農家に生まれ、「日本の農業生産品の増産を果たして、いつの日か、おいしいものをみんなが味わえる世の中にしたい」という夢を抱き、宇都宮大学農学部に進学した。「いまでも夢です」と、にこやかに語ってくれたことを思い出す。
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物語の在りか

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 生き物を眺めるのが好きだ。彼らには彼らの世界や価値観があって、ヒトから見たら目立たない存在だとしても、自分の物語を抱えて、えっちらおっちら生活している。その姿に心ひかれるのだ▼そんな彼らが排泄する「ふん」にも物語があると知ったのは、桐生自然観察の森で開かれた高槻成紀さん(麻布大学いのちの博物館)の「哺乳類の調べ方講座」。生き物のふんを調べることで、その動物の基本的な食性がわかるのはもちろん、季節で変わる食べ物の内容、生息している自然環境を知ることができるという▼食べ物を得る場所が樹上か地上か、といった空間利用も推測できるから、彼らの生きざまの一端をのぞき見している気分。「もういらない」と体外に出されたふんが、たくさんの情報を持っていて、この目が見ている以上に、世界には広がりと奥行きがあると教えてくれた▼「普通の生き物が普通に暮らす姿を観察することの大切さ」について語られた講座。“普通”には、生はもちろん死も排泄物も含まれていて、きれいなばかりではない。けれど、汚い臭いと見ないようにしているものの中に大切なものが隠されていて、それこそが、生き物それぞれが抱える物語だったのだ。(並)
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タオルにマッサージ効果、フジクニ、コンサルと協業し開発

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 浴用タオル専業メーカーのフジクニ(桐生市広沢町五丁目、藤生進康社長)が足利市内のコンサルタントとの協業で、マッサージ効果つきタオルを開発した。ウレタン素材を縫い込んで凹凸を出し、体を洗いながら刺激を与え、筋肉をほぐす。「Ristro(リストロ)」と名付け、エステサロンや美容室などを通じて販促を図る。

 同社はコスト競争に巻き込まれがちな入浴用あかすりタオルの分野で、付加価値の高い商品開発を積極的に進めている。これまでにゆるキャラの「ぐんまちゃん」「くまモン」などの絵柄を全面プリントしたタオルを企画し、新たな販路を開拓してきた。

 今回は機能での差別化に挑戦した。コンサルタントで筆描家の星野幸一さん(49)=足利市福居町=と同社の藤生洋子さん(58)がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス、インターネットを通じた交流サイト)上で情報交換する中で構想が膨らんだ。

 試作を繰り返し、ポリウレタンを縫い込む方法に落ち着いた。丸めたり平らにしたりとさまざまな使われ方を想定し、凹凸の配置も工夫した。商品名は桐生市がイタリアのビエラ市と国際姉妹都市なのにちなみ、リフレッシュと匠(たくみ)を意味するイタリア語から造語した。

 「どんな風呂にも合うよう、あえて白一色で清潔感を出した」と藤生さん。星野さんは「ありそうでなかった商品。将来はイタリアに輸出し、日本人はやるねと言わせたい」と夢を描く。

 大きさは幅約15センチ、長さ約105センチ。ナイロン製で生地は硬めと柔らかめの2種類。価格は税別1800円。
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群馬大、「社会実装研究センター」開設

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 群馬大学(平塚浩士学長)は1日、同大桐生キャンパス(桐生市天神町一丁目)の研究・産学連携推進機構内に「次世代モビリティ社会実装研究センター」を設置した。自動運転や電気自動車(EV)といった次世代の乗り物について、産官学金で連携してハード・ソフト両面の技術開発や人材育成に取り組み、地域社会で実用化するための拠点とする。

 センターは教育研究部と技術開発部から成る。教育研究部では、次世代モビリティに関するプログラムや講座を組み、院生や社会人向けに開講する予定で、院生向けのカリキュラムは2018年度のスタートを目指す。

 技術開発部では、自動運転や特色あるEVの社会実装に向け、通信・運輸・保険・医療といった業界と自治体・大学が協力し、先端技術の種(シーズ)と社会の要望(ニーズ)を組み合わせ、新しいもの・仕組みの開発に乗り出す。

 センター長には同大学院理工学府の太田直哉教授が、副センター長には小木津武樹助教がそれぞれ就任。理工系にとどまらず医・教育・社会情報の各学部の教員も参加。産学官連携コーディネーターや知的財産コーディネーターなども名を連ねる。

 同大では、小木津助教らが桐生キャンパス周辺の公道で完全自律型自動運転の実証実験に取り組む。年末から年始にかけて走行実験を始める計画だ。また、次世代マイクロEVについての研究も進んでいる。

 同大学長特別補佐の板橋英之教授は「大学教員はそれぞれ突き詰めた技術を持っているが、それを統合する場がなかった。センターでこれらを突き合わせ、新しい価値の創出につなげたい」と話している。
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JAMと文化市

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 みどり市制10周年記念イベントが通年で展開されている。その一つで、30、40代の有志が企画して11月6日に開かれた野外フェスティバル「M/JAM」は異彩を放った▼音楽、アート、ダンス、スケボーといったストリートカルチャーを凝縮したイベント。衣類や雑貨、グルメなどの店が並び、おしゃれで軽快な雰囲気の中、「これから始まるボーダーレスな表現」というテーマの通り、既成概念を飛び越える若々しさが“未来”を感じさせた▼イベントの熱気に浸りながら、2000年と02年に桐生市で繰り広げられた伝説的イベント「桐生文化市」を思い出した。若い人たちが遊び、学び、表現する場として企画された文化市は、そこで出会った人たちが今も緩やかにつながりつつ、さまざまな形で桐生の街に灯をともし続けている▼「地域にもこんなにすごい人がいて、こんなに楽しいということを見せたい」。M/JAM実行委のメンバーの思いも、文化市とまったく一緒だ。楽しい日常は自分たちでつくる―。そんな気概と遊び心をもった“若者”は、決して地方を、故郷を見捨てない▼「あさはこわれやすいがらすだから 東京へゆくな ふるさとをつくれ」(谷川雁)(
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モニターツアーに135人 土木遺産じっくり見学

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 わたらせ渓谷鐵道(本社みどり市大間々町、樺澤豊社長)が土木学会の「選奨土木遺産」に認定されたのを記念したモニターツアーが3日行われ、135人の参加者がトロッコ列車の車窓などから駅舎やトンネル、鉄橋などの土木遺産を見学した。

 歴史的な土木構造物の保存や活用を促す土木遺産は、2000年の制度創設以来、全国347件、県内では12件が認定されており、わ鐵は桐生地区の施設では初、鉄道では全国8件目として今年9月に認定を受けた。

 モニターツアーは県桐生みどり振興局(桐生行政県税事務所、桐生土木事務所など)と同社が企画。当初の定員80人を大きく上回る参加希望があり、トロッコ列車「わっしー号」(2両編成)を急きょ3両編成にして運行した。3両目には、11月24日に納車されたばかりの新車両「WKT―512型」が連結され、実戦デビューを飾った。

 大間々駅を出発したツアー列車では、桐生市文化財保護課の須藤心一さんと、みどり市文化財課の萩谷千明さんが解説員として添乗。木造駅舎やレンガ積みのトンネル、トラス橋などの遺産の前では減速走行しながら、それぞれの施設を車窓から説明したほか、足尾の古河掛水倶楽部に立ち寄り、終点・間藤駅までを往復した。
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インフルエンザで今季初の学年閉鎖、東小で

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 桐生市立東小学校で今シーズン初となるインフルエンザによる学年閉鎖があり、関連機関では、手洗い・うがいの励行など予防を呼び掛けている。桐生市教育委員会によると、同小では6年生(39人)が11月29日~12月1日までの3日間、インフルエンザによる学年閉鎖となった。その後感染はみられず、同小では2日から通常通り授業を行っている。

 みどり市内の学校では感染者数が少なく、学級閉鎖などの臨時休業は実施していない。両市教委は学校を通して子どもたちや家庭に予防を呼びかけているほか、養護教諭に児童・生徒の健康観察について注意する旨を伝えている。

 桐生市医師会感染症担当の金子浩章医師によると、今シーズンのインフルエンザ流行は例年より少し早い立ち上がりだという。予防のための手洗いや、うつさないためにマスクをするなどのせきエチケット、「特に高齢者は早めに予防接種を受けるように」と呼びかけている。

 県によると11月21~27日の1週間で、桐生地区の1医療機関あたりのインフルエンザ患者報告数は1・22人で、県全体では2・33人だった。インフルエンザの流行の指標となる注意報発令の基準は、1医療機関当たり10・00人とされている。
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「濃い年」だった

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 JR桐生駅などの通勤通学客に、中学生がポケットティッシュとともに啓発チラシを手渡しするエイズキャンペーン。毎年12月1日かそれに近い平日に行われる恒例イベントだ。これがあると、師走が来たことを実感する▼1年を振り返る時期になった。新語・流行語大賞が決まり、次は「今年の漢字」の発表。本紙なんでもダイヤル欄では「わが家の重大ニュース」の募集も始まった。小生もわが身とその周囲を振り返ってみた。かつてないことが幾つも起きた年だった▼仕事場では、長年一緒に働いてきた同僚の退職があった。また、別の同僚が体調を崩し、その仕事を急きょカバーすることにもなった。さらに「記事が気に入らない」と本社受付で暴れた女性が器物破損容疑で逮捕されるという出来事もあり、まさに「濃い1年」だった▼わが家を振り返っても、長男の結婚が決まり、挙式や入籍や新居のこと、相手の親御さんとの顔合わせなど、親として初めて経験することがやはり「てんこ盛り」だった▼さて、みなさんの周りではどんな出来事がありましたか。いつものように1年が過ぎたという人も、激動のひつじ年だったという人も、ぜひ「なんダイ欄」に投稿、連絡をください。(な)
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世界に一点のリメーク服、きものリサイクル研がショー

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 きものリメークファッションショーが3日、桐生市永楽町の桐生織物会館新館2階で開かれた。古い着物から今どきの洋服を生み出した女性たちがお気に入りの衣装でランウエーを歩くたびに、詰めかけた100人近い観衆が熱い視線を送った。

 たんすで眠る着物の生地を生かし、今の暮らしをもっと豊かにするための提案をしようと、ファッションタウン(FT)桐生推進協議会が主催しているイベントの一環。桐生きものリサイクル研究会が運営している。

 今回も桐生、足利、伊勢崎、前橋のリメーク教室で学ぶ生徒たちが、味のある大島紬(つむぎ)や絣(かすり)、しぼりなどの和素材を使って、個性豊かなワンピースやチュニック、コート、ベスト、オーバースカート、パンツなどに仕立て直した。

 研究会を主宰する近藤幸子さんから、素材の由来や仕立てのポイント、小さなアイデアなどの紹介を受けると、生徒たちはさっそうとランウエーを歩き、世界に一点の私の衣装をアピール。

 「素材を触らせて」といった観衆の要望にもこたえながら、モデル役を楽しんでいた。

 生徒の一人である小林由紀美さん=みどり市笠懸町=は「着物の生地が大好き。古い素材を再生する作業に喜びを感じています」と話していた。
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リオ五輪代表・鈴木武蔵選手、母校桐一で出場報告会

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 サッカーJ1のアルビレックス新潟に所属する鈴木武蔵選手(22)が5日、母校の桐生第一高校を訪れ、今夏のリオデジャネイロ五輪出場について報告会を行った。鈴木選手は応援への感謝を伝えるとともに、後輩に「夢に向かってあきらめず、頑張ってほしい」と語りかけた。

 鈴木選手はリオ五輪ではバックアップメンバーから、招集できない選手に代わって初戦の2日前に急きょメンバー登録され、1次リーグ3試合中2試合に途中出場し、1得点を挙げた。

 桐一初の五輪選手となった鈴木選手。「高校3年生の時、県大会決勝で0―2から3―2と取り返し、初めて全国大会に出場した。その時、僕たちが思っていたことはチーム一つということと、あきらめない気持ち。それがオリンピックにつながったと思う」

 今回、バックアップメンバーとなっても「まだチャンスがあると準備していた」そうで「そのおかげで五輪に出場し、得点を取ることができた。みなさんにもこれからいろいろなことが起こると思うが、自分の夢に向かって頑張ってほしい」と話した。

 生徒会長の細谷真優さんから花束を贈られた鈴木選手はさらに同じ進学スポーツコースの生徒に対し、「高校の3年間はすごい重要。毎日練習したおかげでプロになれたし、プロになってからも高校で教えてもらったことはかけがえのないものになっている。学園生活でも部活動でも毎日を無駄にせず、大切に過ごしてほしい」と語りかけた。

 その後、鈴木選手は桐生市役所を訪問。亀山豊文市長と会談し、サイン入りの日本代表ユニホームなどを手渡した。
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教師の役割とは何だろう

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 東日本大震災に伴う福島第1原発事故の影響で、新潟市に避難している小学4年の児童に対し、教師が名前に「きん(菌)」をつけて呼び、児童が不登校になっているとの報道があった。

 夏休み前、児童は同級生から菌をつけて呼ばれていることについて、教師に相談を持ち掛けていた。11月に入り、福島県から横浜市に自主避難していた中学生が、同じように名前に菌をつけて呼ばれ、いじめにあっていたことが報じられた。自分も同じ境遇にあるのではないかと不安を覚えるのも無理はなく、再び教師に相談した矢先、福島が震度5弱の揺れに見舞われ、津波警報の発令された日に、教師は前述の発言をしたという。

 思い切って相談をした教師の口からの思いもよらぬ発言に、児童は戸惑ったはずだ。それまで寄せていた信頼が裏切られたとなればショックも大きい。

 悪気はなく「愛称のつもり」で呼んだという教師の話は、おそらく本音なのだろう。「菌」のつもりではなかったとの声もある。ただ、そのタイミングで絶対にしてはいけない言葉づかいを、つい口に出してしまうという、おそらくはいつもの乗りに任せたような言動にうそ寒いものを感じる。口に出す前にいったん言葉をかみしめてみる、そんな間さえ保てないのも、今という時代の一面なのだろうか。

 いじめ問題でつらいのは、いじめを受けている当人が、集団の中で孤立無縁なのだと感じてしまうことだ。イギリスの経済学者で哲学者のアダム・スミスは、自分の感情や行為を他人から認められたい、否認されたくないと願う気持ちは、人類に共通する真理だと述べている。

 学校の中で、教師は子どもにとっていわば世間の役割を担う存在でもある。同調圧力の強い人間関係の中で孤立し、自らの存在に不安や疑問を抱いてしまった子どもが、教師にその不安をほのめかしたとき、その子の行為や感情を肯定することが、まずは教師の役割であるはず。憲法が保障する人権とは何なのか、身をもって伝える場面でもある。もちろん、いじめに対する対策も必要になる。

 東日本大震災から5年が経過したが、福島ではいまも原発の廃炉や除染の作業が続く。避難生活が長引く一方で、避難者の境遇に対する世間の配慮や共感が薄まりつつある。学校現場での避難者いじめも、その影響か。教師の役割は今こそ重い。
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手は知っている

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 小さいころ、家にはかつお節削り器があった。かつお節を削るのは祖母や母の仕事だったが、たまに削らせてもらえることも。刃のある道具を扱うのは怖いが、面白く、認められた喜びもあった▼桜木小学校での「ものづくり体感事業」。5、6年生が職人に教わりながら作品づくりを通して、大工や板金、和裁、建具の技に触れた▼大工の班に女の子がいたり、和裁の班に男の子がいたり、そして意外に筋が良かったりして「性差」は後天的に生まれるものだなと感じる。ただ、かつお節削り器がわが家から消えたように、男女問わず、個々の得意分野を知る機会も失われている▼大きな自動車事故が続いている。福岡のタクシー事故は運転手の操作ミスか、車の問題か、原因はまだ分からないが、自動運転車に期待する声が大きくなってきた。自動ブレーキの技術は年々精度が上がり、飛び出し実験などを見ると、もう人間が操作しない方がいいのではと感じるほどだ▼しかし、いざ問題が起こった場合のことを考えると不安が募る。電子化が進む現代、身の回りにある道具に不具合が生じたとき、自分で対処できるものがいくつあるだろう▼身体が経験する機会を失いたくはないのだ。(野)
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シンクトゥギャザー、EVでレンタカー事業

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 低速小型電動バスの「マユ(eCOM―8)」などユニークな電気自動車(EV)の製造販売を手掛けるシンクトゥギャザー(桐生市相生町五丁目、宗村正弘社長)が、来年4月からEVを使ったレンタカー事業に乗り出す。レンタル自転車のように、自社開発の2人乗り超小型EV「eCOM―mini」を観光地周遊の足に生かそうという試み。マユを使ったまちなか観光を展開している桐生再生の協力を得て、イタリア製の超小型EVを使った試行を12月半ばから始め、運用・車両両面の課題を探るという。

 高齢化社会や環境保全、観光事業の促進を目指し、シンクトゥギャザーでは電動スローモビリティーの製造販売に取り組んでいる。横掛け2人乗りのeCOM―miniも、そんなコンセプトで開発された。現在コスト削減に取り組んでおり、来春にも完成の見込みだ。

 同社ではこの車両を市販せず、レンタカー事業「eCOMレンタ」に活用し、フランチャイズ展開を図ることにした。

 「日本初の横掛け2人乗りのマイクロEVで、観光地をのんびり周遊してもらうのが狙い。レンタル自転車は多いが、体力のない人もいるはずで、ビジネスの余地はあると思う」と宗村さんは話す。

 契約を希望する事業者は、レンタカー登録に必要なレンタル事業者申請を済ませる。フランチャイズ加盟すると月額6万円でeCOM―miniが1台提供される。基本は4年間の継続契約で、期間中のメンテナンスは同社が請け負うという仕組み。

 eCOM―miniを導入することで、観光地のイメージアップや話題の創出、リピーターの増加といったメリットを見込む。まずはすでにeCOM―8を導入している市町村を中心に、呼び掛けを図るという。

今月半ばから試行

 4月の本格実施を前に、12月半ばから桐生再生の協力を受け、桐生市東久方町の四辻の齋嘉を拠点に、イタリア製の車両を使った試行を開始する。eCOM―miniと同じ横掛け2人乗りの小型EVを使い、最高時速19キロで伝建地区を中心にまちなかを周遊してもらう。料金は1時間1500円。

 時間は午前9時~午後3時で、土・日曜はシンクトゥギャザーの社員が桐生再生の事務所に詰める。実際の利用者の声に耳を傾け、課題やニーズを探り、本格実施に備える予定だ。

 問い合わせはシンクトゥギャザー(電0277・55・6830)または桐生再生(電0277・46・6916)まで。
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鳥インフル、警戒強める 桐生が岡動物園

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 全国各地で野鳥と家禽(かきん)の鳥インフルエンザ感染報告が相次いでいることから、桐生が岡動物園(齋藤隆浩園長)でも警戒を強めている。野鳥の侵入防止ネットの設置はもちろん、動物と触れ合う「こどもどうぶつコーナー」の閉鎖、傷病野鳥の受け入れ休止に加え、靴底の消毒を呼び掛ける「消毒ポイント」を設置。「ウイルスを持ち込まないことが第一。理解と協力を」と話している。

 鳥インフルエンザはインフルエンザウイルスによって感染する鳥類の病気。ふんなどを介して感染し、渡り鳥が飛来する秋から春にかけてまん延する傾向がある。国内では卵や肉を食べてヒトが感染した報告はない。

 国内は今冬、11月初旬に北海道で回収された野鳥の死骸から鳥インフルエンザウイルスが検出されたのを皮切りに、全国で感染報告が相次いでいる。同月末には青森県、新潟県の農場で家禽への感染が確認され、12月2日には茨城県水戸市内の池で死んでいたオオハクチョウから鳥インフルエンザウイルスが検出された。

 国内の感染拡大、北関東でのウイルス検出報告を受けて、桐生が岡動物園は今冬、鳥インフルエンザ対策を強化。毎年行う野鳥侵入対策の防護ネットの設置に加え、11月末から「こどもどうぶつコーナー」での鳥類との接触を休止、12月4日からは同コーナー自体を閉鎖している。

 また、園の北門・南門に石灰をまいて、来園者に靴底を消毒してもらう「消毒ポイント」を設置。ウイルスに感染した野鳥のふんをヒトが踏み、気づかぬままウイルスを持ち込むリスクを下げる防御策だ。

 秋田市の動物園では11月、飼育鳥類から高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出され、感染拡大防止のために一部鳥類を殺処分した経緯もある。桐生が岡動物園では、「一度ウイルスを入れてしまうと、感染した鳥だけでなく、周りで飼育している鳥も処分しなければならない場合もある。消毒と野鳥の侵入防止を徹底したい」と話している。

 また県からの委託事業である野生傷病動物の保護についても、12月1日から鳥類の受け入れを休止しており、「弱っていたり、死んでいたりした野鳥を見かけたら触れないように。まずは、動物園(電0277・22・4442)か、県桐生森林事務所(電0277・52・7373)に連絡をしてほしい」と呼びかけている。
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あれから2年

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 2年前の冬の県民交通安全運動の最終日。夜明け前の午前6時ごろ、信号機のない交差点付近で、犬の散歩途中だった高齢女性が歩いて道路を横断中、出勤途中だった男性の車にはねられ、帰らぬ人となった▼夜間に交通事故に遭わない、起こさないために、歩行者には自分の存在をアピールする反射材の着用が、ドライバーにも、夜間の横断死亡事故の9割以上がロービーム(すれ違い用前照灯)という実態から、照射距離がロービームの2倍以上となるハイビーム(走行用前照灯)の使用が叫ばれている▼実際、反射材の着用者は増えつつあるものの、その割合はまだ低い。反射材を着用しないで暗闇の道路を横断している人を見つけ、減速することもままあり、せめて白系など明るい色の服装であればと思うこともある▼ハイビームも、先行車や対向車があるときは使用を控えなければならず、市街地では深夜でもこまめに切り替えなければならない現実もある。が、ハイビームを使用できる場所で使用していれば防げる事故もあるかもしれないのも確かだ▼桐生警察署管内の高齢者の交通死亡事故のない日が11日で丸2年となる。きょうを含めあと5日と迫った。(ま)
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