刺しゅう業のユニマーク(桐生市相生町五丁目、尾花靖雄社長)が東京・秋葉原にショールームを開設した。ウェブサイトを通じた受注がメインの同社だが、市場規模の大きい東京都内に拠点を置くことで既存客へのサービス向上を図るほか、フリーの来店客やパソコンの苦手な高齢者世代の開拓も狙う。東京五輪開催を控え、観光目的の訪日外国人が増え続けている現状も踏まえ、インバウンド(訪日外国人旅行者)需要の掘り起こしにもつなげる考えで、多店舗化も視野に入れている。
ショールーム設置は市場調査を1年間行った上で決断した。日比谷線秋葉原駅から徒歩約3分の昭和通り沿いに立地し、面積は約26平方メートル。スタッフ2人が常駐する。刺しゅう機1台を持ち込み、ポロシャツの色とサイズをそろえ、文字のみなど単純な刺しゅうはその場で施して提供する。
年内をめどに専用アプリを開発し、色や刺しゅうの位置を見ながら打ち合わせできる仕組みを整える。テレビ電話でデザイナーと直接話すことも可能にする。
「このような形態は刺しゅうに関しては都内にもなく、いち早く手掛けることでプロとして差別化を図りたい」と尾花社長。「リオ五輪でもかなりの注文をいただき、2020年の東京五輪は外せない。1色もののプリントもその場でできるようにするなど、小さい店舗だがやりたいことだらけ。群馬の桐生の刺しゅうを広めたい」と意欲旺盛だ。
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