1886(明治19)年に産声をあげ、創立130周年を迎えた桐生市立西幼稚園。遊戯室で25日まで開かれていた記念写真展を見学した▼明治、大正、昭和、平成の園児の記念写真が並ぶ会場では「おばがいた」「先生がいる」とあちこちで歓声が上がる。記者も高校の同級生の姿を発見し、うれしくなった▼くしくも130周年の節目の澤野和子園長は西幼稚園の卒園生。父親も西幼稚園に通っていたという。「親子孫3代が西幼稚園の卒園生という人もいます」。着物姿から洋服へ、木造の園舎から鉄筋コンクリートの園舎へ、集合写真からは130年の時代の移り変わりを読み取ることができる▼終戦前年の「昭和19年」にも卒園写真集が作られていたことには驚いた。桐生で初めて、群馬県で2番目に誕生した公立幼稚園の写真からは、桐生市民の幼児教育に対する熱い思いを感じた▼生活も人々の意識も多様化し、子育て世帯とそれ以外の世帯の溝が広がりがちな現代の社会。しかし、桐生市の幼児教育の130年の歴史を眺めながら、高齢化率の高い桐生市だからこそ、地域もかかわる新たな子育てモデルが生まれるのではないかという、希望を抱いた。(野)
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