不整脈の根治に効果的な循環器内科の治療方法「アブレーション」が桐生地域で初めて、東邦病院(みどり市笠懸町、竹内宏明院長)に導入され、10月に入り2人の患者に治療が行われた。開胸が不要で体への負担も少なく、治療を受けた患者は経過良好で退院したという。竹内院長は「今後も循環器内科だけでなく、急性期医療の充実を図る。ニーズに応え、地域医療向上に努めたい」と力を込めた。
新たに導入した「アブレーション」は、脈が速くなる「頻脈性不整脈」に効果的な治療方法として確立されているもの。脚の付け根から心臓までカテーテルを入れて、不整脈を起こしている根源やその伝達部分で熱を発生する。異常を起こしている部分を焼き切る直接的な治療法だ。
治療の翌日には歩くことができるなど開胸と比べて患者への身体的負担が低いことが特長の一つ。不整脈の根治は「心臓機能の維持や、血管が詰まるなど疾患の予防になり、生活の質を上げることができる」と飯島貴史循環器内科部長。今年度、同職に就任した飯島部長は、「多くの人が適切な医療機関にかかれるように、地域に密着した医療を提供していきたい」と話している。
同病院は急性期から療養、回復期までそれぞれの段階に合わせたケアを提供するケアミックス型が特徴。特にメーンとなる急性期医療に力を入れており、循環器内科においては前年度2人、今年度2人の医師が新たに着任。同科が専門の竹内院長を含め5人が常勤医として勤務しており、「循環器内科としては常時、救急患者を受け入れられる態勢が整った」という。
「心臓突然死」など 来月5日公開講座
地域医療の向上を図り、同病院は11月5日、桐生市市民文化会館スカイホールで初めての市民公開講座を主催する。「もっと知ってほしい心臓突然死~体からのサインを見逃していませんか~」と題して、心疾患全般に関する知識・情報を提供する。
地域住民に向け、正しい医療知識の普及啓発を図る公開講座で、今後もさまざまなテーマで実施する予定。第1弾は、同病院の循環器内科の医師が、心臓突然死のサイン、糖尿病と心筋梗塞の関係など4テーマについて分かりやすく解説する。
参加無料。午後2時から(開場は同1時半)。問い合わせは同病院(電0277・76・6311)へ。
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