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「桐生のオノサト」 6日まで移動大川美術館展

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 戦前から新しい絵画の可能性を探求し続け、桐生のアトリエから世界に発信し続けたオノサト・トシノブ(1912~86年)。20代の風景画から最晩年の幾何学的抽象画まで、45点で生涯の画業を振り返る展覧会が3日に開幕した。第29回移動大川美術館展で、会場は桐生市市民文化会館地下展示室。没後30年を経てもきらめき発光し続ける「真昼の絵画」の魅力を堪能できる。

 水道山を下りてバリアフリーの空間で開催される年に1度の同展。11月30日の命日を前に、今回は国際的な画家オノサトの50年に及ぶ画業を展観している。所蔵作品や桐生市寄託品のほか、使命感を持って桐生に作品をとどめている個人の出品もあり、特に親友の画家、瑛九(1911~60年)と水墨画を描いたり座禅や俳諧で精神修養していた戦前の作品は珍しい。

 桐生市寄託の「紙ばり」(1940年)はモノトーンの世界の傑作だが、55年に出現した「ベタ丸」から背景に細かく多色の線が描かれ、丸が分割されると画面は色と色がひしめきあうように光を放ち、強い存在感を持つ。圧倒されつつ近寄ると、画家の筆致が見て取れ、息遣いに触れるようだ。

 実習生として大川美術館を志願し、展示作業も手伝った服部聖奈さん(東洋大4年)は「わが桐生のすばらしい画家だと思います。“ベタ丸”はどこから降りてきたのか。色彩も独特で、ずっと見ていたい」。小松原陽月さん(県立女子大4年)もオノサト絵画を好感、丸や色彩の神秘を「本人に聞いてみたい」と話していた。

 6日まで、午前10時~午後5時。入場料は一般300円、65歳以上と心身障害者、中学生以下とその付き添い人は無料。
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