全国各地で野鳥と家禽(かきん)の鳥インフルエンザ感染報告が相次いでいることから、桐生が岡動物園(齋藤隆浩園長)でも警戒を強めている。野鳥の侵入防止ネットの設置はもちろん、動物と触れ合う「こどもどうぶつコーナー」の閉鎖、傷病野鳥の受け入れ休止に加え、靴底の消毒を呼び掛ける「消毒ポイント」を設置。「ウイルスを持ち込まないことが第一。理解と協力を」と話している。
鳥インフルエンザはインフルエンザウイルスによって感染する鳥類の病気。ふんなどを介して感染し、渡り鳥が飛来する秋から春にかけてまん延する傾向がある。国内では卵や肉を食べてヒトが感染した報告はない。
国内は今冬、11月初旬に北海道で回収された野鳥の死骸から鳥インフルエンザウイルスが検出されたのを皮切りに、全国で感染報告が相次いでいる。同月末には青森県、新潟県の農場で家禽への感染が確認され、12月2日には茨城県水戸市内の池で死んでいたオオハクチョウから鳥インフルエンザウイルスが検出された。
国内の感染拡大、北関東でのウイルス検出報告を受けて、桐生が岡動物園は今冬、鳥インフルエンザ対策を強化。毎年行う野鳥侵入対策の防護ネットの設置に加え、11月末から「こどもどうぶつコーナー」での鳥類との接触を休止、12月4日からは同コーナー自体を閉鎖している。
また、園の北門・南門に石灰をまいて、来園者に靴底を消毒してもらう「消毒ポイント」を設置。ウイルスに感染した野鳥のふんをヒトが踏み、気づかぬままウイルスを持ち込むリスクを下げる防御策だ。
秋田市の動物園では11月、飼育鳥類から高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出され、感染拡大防止のために一部鳥類を殺処分した経緯もある。桐生が岡動物園では、「一度ウイルスを入れてしまうと、感染した鳥だけでなく、周りで飼育している鳥も処分しなければならない場合もある。消毒と野鳥の侵入防止を徹底したい」と話している。
また県からの委託事業である野生傷病動物の保護についても、12月1日から鳥類の受け入れを休止しており、「弱っていたり、死んでいたりした野鳥を見かけたら触れないように。まずは、動物園(電0277・22・4442)か、県桐生森林事務所(電0277・52・7373)に連絡をしてほしい」と呼びかけている。
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