大みそかの深夜に寺院の釣り鐘をつく「除夜の鐘」。高齢化で夜間外出を控えがちな参拝者にも安心して来てもらおうと、桐生市川内町五丁目の宝徳寺(金子英宗住職)は今年初めて、除夜の鐘を半日前倒しして昼から始めることにした。“除夜”ならぬ“除日”の鐘。金子住職は「子どもからお年寄りまで、年代を問わず集まりやすい時間帯にした。ぜひ家族みんなで参加してほしい」と呼び掛けている。
昨年1月に鐘楼が完成した宝徳寺では同年初めて、大みそか夜から元日未明にかけて除夜の鐘つきを挙行。多くの参拝者が参加して、ゆく年くる年に思いをはせた。
しかし年配の参拝者からは、寒くて暗い深夜に鐘つきの順番を待つのは苦行との切実な声も。転倒事故や体調悪化を防ぐため、深夜の参拝自体を控える人も目立った。
同寺の金子住職(49)は、年中行事として今後も末永く続けていくには、高齢化が進む参拝者への配慮が必要と判断。老若男女が安心して参加できる方法を模索していた。
今年の大みそかは午前10時50分までに本堂に集合し、同11時から法要を、同20分から住職の法話を行う。同50分から境内の鐘楼で鐘つきを開始。温かいそばやおでん、甘酒、ココアなどが振る舞われる。
金子住職は「子どももお年寄りも参加しやすい昼間に、家族みんなで鐘をついてもらい、夜はゆっくり過ごしてもらえたら。今後も高齢化の時代に合わせた年越しのあり方を模索していきたい」と話している。
問い合わせは桐生市川内町五丁目1608の同寺(電0277・65・9165、メールアドレスkiryu@houtokuji.jp)へ。
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