みどり市が市民を対象に毎年行っている「まちづくり市民アンケート」で、旧笠懸、大間々、勢多郡東3町村による合併を「良かった」と感じている市民が43%にとどまっていることが分かった。合併後に住民サービスが充実したとは感じていない市民が69%に上っており、合併への満足度が高くない様子が浮き彫りとなった。
同アンケートは、市総合計画の目標達成度を内部評価するための基礎資料として定期的に行っているもの。今年度の調査では、市制施行(合併)10周年を機に「合併後のまちづくり」に関する設問を6問設け、18歳以上の市民3000人に調査票を発送。1112通の回答(回答率37%)を得て集計した。
合併して良かったかどうかは、「感じる」「どちらかといえば感じる」が計42・9%で、「感じない」「どちらかといえば感じない」の計33・8%を上回ったものの、「その他」15%や「無回答」8・3%も多く、合併の満足度は高いとは言えない状況が分かった。
市としての一体感については「感じる」が計63・4%で、「感じない」の計25・5%を大きく上回った。新市発足後10年で一体感の醸成が進んだ様子はうかがえる。
だが半面、旧3町村間の住民交流が増えたかどうかについては「感じる」が計21・3%、「感じない」が計72・5%で、居住地区以外との交流は増えていない状況だ。
合併で住民サービスが充実したかは「感じない」が計69・1%で、「感じる」の計23・4%より3倍近く多い。公共施設の利便性向上も「感じない」が計61・7%、「感じる」が計30・6%で、6~7割の市民が「変化がない」か「悪くなった」と感じている様子が垣間見える。
このことは、合併後のまちづくりについて「進んでいる」計30・1%、「進んでいない」計10・4%に対し、「変化がない」が30・7%と最多だったことにも表れている。「地区ごとに差がある」と感じている市民も20・3%いた。
新市のまちづくり、合併10年“道半ば”
調査結果について、市の三輪浩史総務部長は「合併10年で効果やメリットを感じるのは難しい」と、新市のまちづくりが“道半ば”であるとした上で、市民生活の満足度向上に向け、市のさらなる一体感醸成や旧3町村の地域間格差の是正、公共施設の利便性向上などを課題として検討したい考えだ。
関連記事: