今年最初に書いた記事は「縁石に乗り上げた車の後輪から出火」(4日付)だった▼自損事故で、横転もしないで縁石に乗り上げた車から出火することは珍しい。3日夕、そのまさかの光景を目撃した。現場は片側1車線の県道の直線部分。帰宅時間や、進行方向の少し先に踏切があるとはいえ、普段より通行量は少ないはずなのになぜか渋滞ぎみ▼徐々に進むと端に止まっている車からエンジンを空ぶかしするような異様な音が聞こえてきた。暗くて、縁石に乗り上げていることに気がつかず、けげんに思いながらよけて通りすぎたのだが、気になって近くの駐車場から様子をうかがった▼そこでようやくのみ込めた。高齢男性が、左の前・後輪が浮いた状態から自力で脱出しようとエンジン全開を繰り返していたのだ。縁石との摩擦で、すり減ったタイヤの煙とゴムのにおいが立ち込め、間もなく左後輪付近から出火した。近くの男性が通報とともに消火器で消し止め、大事にならずに済んだ。が、それを知った近所の住民は建物に延焼の可能性もあったことに青ざめていた▼予期せぬ出来事とどう向き合うべきか。日ごろからの備えと対処の仕方を考えさせられた。(ま)
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