甚大な被害が発生した2014年2月の大雪での経験を生かし、三高産業(桐生市境野町七丁目、高山淳史代表)が新たな園芸用施設を開発した。強度の向上と低価格の両立を実現させたビニールハウスで、同市新里町の農家に初めて本格導入された。

雪害の経験を生かして完成した新型ビニールハウス(桐生市新里町で)
14年2月の記録的な大雪で倒壊・損壊などの被害を受けた桐生・みどり両市の農業用施設の面積は、60ヘクタール以上にも上る。そのうちの9割以上がビニールハウスなどの栽培施設だった。
一般的に普及している丸屋根の従来型のビニールハウス(エコノミー)の基本構造は30年以上も変わっていない。骨組みのパイプを補強するなど工夫されてきたが、ここ数年は突風や積雪などの自然災害を受けて倒壊するケースも見られ、農業従事者から「強度の高いビニールハウスを求められることが多かった」と同社。
開発した新製品は、ビニールハウスづくりを基礎工事から見直した。従来の材料を補強するのではなく、骨材に強度の高い角パイプを使用。価格も抑え、ビニールハウスより強度の高い屋根型ハウスの半分のコストで建設可能だという。
採光性に優れた丸屋根で、ハウスの高さは約4・5メートル。開閉できる天窓と、地上高約2㍍にある二重構造のフィルムを開閉することで採光と温度を調整。冬季・夏季にも安定した温度管理ができるという。
問い合わせは三高産業(電0277・43・7181)へ。
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