県立歴史博物館で開催中のテーマ展示「道具の教室」。明治から昭和にかけて生活の中で使われた道具を紹介するもので、黒電話やローラー付きの電気洗濯機、木製冷蔵庫などが並び、〝進化〟をたどることができる▼「ほとんど形が変わらないのはアイロンです」と館の職員。確かに明治時代、外国から入ってきたという炭火アイロンはすでに前部がとがり、後部が平らな「ロケット型」をしている▼では一番形が変わったのは何だろう。電話機だろうか、洗濯機だろうか。洗濯板は原始的な道具にみえるがこれも明治時代に外国から入ってきたもの。もみ洗いをしていた人々にとっては画期的な道具だったという▼「よりよく暮らしたい」というヒトの願いが生み出す道具の最終形は「ロボット」になるのだろうか。ヒトに代わって家事をし、車の運転もしてくれる。育児も介護も仕事もロボットの方が効率がいい場合があるだろう。ゲームの相手もしてくれるし、いずれは芸術家や小説家も生まれるかもしれない。そんな未来がやってきた時、ヒトは何をすればいいのだろうか▼とりあえず、いくつかの道具に助けてもらいながら、きょうもこの手を使って、ご飯を作ろうと思う。(野)
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