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子どもも立派なサポーター 神明小児童、認知症女性助ける

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 桐生市立神明小学校(佐野悦生校長)の3、4、5年生児童7人が下校途中、道に迷っていた認知症の高齢女性を手助けしたことで、女性が無事に保護され帰宅できたケースがあった。「すごく焦ったけど、困っているみたいだったから」と話す子どもたち。認知症サポーター養成講座を受講し「声をかけるときは優しく正面から」と実践する姿は、増え続ける地域の高齢者の大きな支えになる。

 桐生市の65歳以上の高齢者は3万8924人(2016年10月1日現在)。厚生労働省発表の65歳以上の認知症有病率推定値15%から、市内の認知症高齢者は5800人を超えると推計され、子どもたちにとっても認知症の高齢者は身近な存在だ。

 認知症の高齢者への理解を深め日常生活の中で支える役割を担う「認知症サポーター」の養成講座は市内の各小学・中学校や高校などでも実施。同校では4年生が「認知症サポーター養成講座」を受講しており、3年生では地域のお年寄りとふれあう授業を行うなど、高齢者や認知症への理解を深めている。

 伊藤大峨さん(3年)、福田嶺王さん(同)、山本ゆうじさん(4年)、長谷川侑空さん(同)、石関悠惟さん(同)、佐藤琉真さん(同)、椚瀬紫音さん(5年)の7人が道に迷った女性と会ったのは下校途中。女性に話を聞いていた地域住民も困った様子だったので、「どうしたんですか」「どこから来たんですか」など声をかけ、数人が近くの桜木公民館に駆けこんだ。

 その後、市役所長寿支援課、地域包括支援センターを通して家族や利用しているデイサービスに連絡が取れ、女性は無事に帰宅することができたという。

 「風が吹いて外は寒かったから(女性が)帰れてよかった」とひと安心の子どもたち。「お年寄りの体が悪かったり病気だったりするのは、僕たちより長く生きて、たくさんのことを知っているから」と高齢者への尊敬を示し、「困っているお年寄りがいたら声をかけて、優しく話を聞けるようにしたい」「自分たちにできないことは大人に相談して助けられたら」と話した。

 桐生市長寿支援課によると、「市内で小学生が関わって高齢者の保護に結び付いたのは初めてのケース」という。「発見が遅れて遠くに行ってしまう可能性もあった。子どもたちのおかげ」と積極的な行動をたたえた。
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