製造業にとり、いかに売れるものをつくるかは永遠の課題だ。数学の公式のように明快な解の導き方があるはずもなく、ヒット商品の多くは、関係するあまたの人が日々悩み、試行錯誤の末に生み出されてきたのだろう▼想定される客層の性別や年代を絞ったり、市場調査をしたりさまざまな手順を踏み、時にアイデアを社外から求めることもある。学生との協業もその一つだ。産学連携というと工学系の学校との技術的なつながりが思い浮かぶが、少し違った事例が地場で生まれた▼桐生大学短期大学部アート・デザイン学科2年の女子学生の提案を生かし、インテリアメーカーのコスモが売り出した小窓用カーテンがそれだ。リボンで結んだ姿がディズニー作品に登場するプリンセスを連想させる斬新さが人気を呼んでいる▼主因は“とがったアイデア”。自分たち20歳の女性がほしいものをわがままに提案しようと練ったいくつもの企画をプロの目で厳選。市場で受け入れられるよう、うまく角を丸めて商品化につなげた▼企業にとっては潜在的な宝の山といっていいたくさんの提案を得られ、学校側も実績作りにつながる。双方に実りがある成功例が、これからも増えるといい。(悠)
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成功の要因
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