桐生市末広町のメガドン・キホーテ桐生店そばに昨秋、カウンター席中心の小さなスパゲティ専門店がオープンした。屋号は「オーガ」。アルデンテの言葉が市民権を得る中で、ゆで上げパスタではなく、あえてゆで置きの太麺をフライパンで炒めた、昔懐かしいスパゲティを提供している。経営陣のコンセプトは路面店のスパゲティ店、通称“ロメスパ”。「学生の多い商店街なので、並盛500円で腹いっぱいになれる店を」と、店主の石関卓也さん(38)は話す。「早い、安い、盛りがいい」をモットーに、まずは6種類のメニューで若者の胃袋を応援するつもりだ。
「オーガ」を経営するのは、同じ末広町や境野町で居酒屋「左門」を経営する中山豊さん(41)。若者の多い末広町で、安くて腹いっぱい食事できる店を開こうと、中山さんは居酒屋スタッフだった石関さんらとともに、ロメスパを研究した。
ロメスパに注目したのは、小人数で店を切り盛りしながら、「早い、安い、盛りがいい」を達成するため。本格派ではなく、あえてB級路線を目指したわけだ。
東京では数年前からロメスパが脚光を浴び、行列ができるほどの人気店も複数ある。そうした店に足を運びつつ、メニューや経営のノウハウを練った。
こうして誕生したのがスパゲティ「オーガ」。並盛500円を基本に、大盛(600円)、特盛(750円)、キロ盛(1000円)と量が選べる。学生には「学増し」の特典があり、無料で麺を100きごうグラム増量してくれる。
メニューの中では「ミートソース」「ナポリタン」「めんたい」「しおニンニク」「しそしょうゆ」に加え、「やぎぶし」が目を引く。
肉、野菜とともに太麺を炒め、ソース味に仕上げる。刻みのり、かつお節をのせれば完成。焼きそば風スパゲティで、「踊るかつお節がネーミングのヒント。桐生らしいメニューがほしかったので」と、中山さんは話す。
から揚げ、目玉焼き、ソーセージ・ベーコン・肉増し、野菜増し、とろけるチーズなど、トッピング(50~100円)の種類も数をそろえた。
営業時間は午前11時半~午後9時(月曜・第3日曜定休、土・日曜以外は午後2時~同4時が準備中)。「夕方以降は学生が、昼間は会社員の利用が多い」と石関さん。事前予約で持ち帰りにも対応している。
「空き店舗の活用法として、飲食の可能性はまだあるはず。モデルケースにしたい」と中山さん。「まちの活気につながれば」と、石関さんは来店を呼び掛けている。
持ち帰りの注文など、問い合わせは「オーガ」(電0277・46・7171)まで。
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