人口減に対応した持続可能なまちづくりを目指し、地方都市が拠点施設や住居の配置を誘導する「立地適正化計画」。2018年度の策定を目指して今年度から策定作業に着手する桐生市は10日、有識者や関係団体らでつくる計画策定委員会の初会合を開き、計画策定に向けて本格的な検討作業に入った。8月の次回会合で、都市機能や住居が集約されたコンパクトなまちづくりの方向性を示す基本方針案をまとめ、9月に市民に公表した上で意見募集を行う方針を明らかにした。
コンパクトなまちづくりへの取り組みは、急速な人口減や少子高齢化、深刻な財政難に悩む地方都市が、都市機能や住居を集約して持続可能なまちを目指す政策として近年注目されている。
2014年施行の改正都市再生特別措置法で、コンパクトシティーを目指す市町村が立地適正化計画を策定すれば、国から受けられる補助金の幅が広がることになった。
同計画は、病院や商業施設などを集める「都市機能誘導区域」、居住を促す「居住誘導区域」を設定。住宅建設を抑制する「居住調整地域」を定めることもできる。
桐生市は今年度から3カ年で策定予定。今年度は世代別に転出入の多い地区や移動元・移動先などのデータを収集し、医療・福祉施設や公共施設などの位置情報と重ね合わせて都市構造の現状と課題を分析している。
市役所6階会議室で初会合が開かれた計画策定委の名称は「市まちづくり検討委員会」(委員長=中出文平・長岡技術科学大副学長、11委員)。市側から現状と課題の分析結果とともに、今後のスケジュールが示された。
それによると、8月の第2回会合で、都市機能や住居が集約されたコンパクトなまちづくりの方向性を示す「基本方針案」を協議。9月に同案を市ホームページなどで公表し、市民からの意見募集(パブリックコメント)を行うとした。
都市機能・居住誘導区域の設定や誘導施策については、12月予定の第3回会合、来年3月予定の第4回会合で協議する予定。来年5月に市民向け講演会開催を経て、同7~8月に住民説明会を開いて意見を聞き、19年3月末までに計画を策定したい考えだ。
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