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いのちの声

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 「あの事故に巻き込まれなければ、大助は今ごろ笑顔だったはずなのに」―。22年前、バイクで走行中に車にはねられ、18歳で命を落とした山田大助さんの母・穗子さん(64)=桐生市菱町三丁目=は、息子を失った悲しみを背負いつつ、みどり市大間々町の旧神梅小体育館で開催中の「生命のメッセージ展」で来場者を迎えている▼大助さんと同様に、事故や事件で命を奪われた人たちの等身大のパネルが並ぶ同展。飲酒運転やスピード違反の車の犠牲になった命や、いじめ、暴力、医療過誤の被害者ら158の「メッセンジャー」と呼ばれる命が、声なき声を発している▼メッセンジャーたちの声は、無念さや怒りよりも「命を大切にしてね」というやさしさのようにも感じる。「メッセンジャーに会うと、どんな人もやさしさを取り戻すんです」。実行委員会の代表でもある穗子さんは言う▼私たちは誰でも事件や事故の被害者になりうるし、加害者にもなりうる。同展は、理不尽に奪われた命への鎮魂であり、私たちの反省であり、悲しみを少しでも減らすための道しるべとなる。28日までの午前10時から午後5時(最終日は同3時)まで。多くの人に見てほしいと思う。(
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