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検査車両が脱線、わたらせ渓鐵、復旧はあす以降か

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 22日午後3時ごろ、桐生市黒保根町水沼のわたらせ渓谷鐵道水沼―花輪駅間にある踏切(同市役所黒保根支所の南東約200メートル)付近で、線路を点検する3両編成の列車の2両目が脱線した。けが人はなかった。この影響で、わ鐵は大間々―間藤駅間で運行を見合わせており、バスで代替輸送している。23日正午時点で復旧の見通しは立っておらず、24日にも脱線した列車を運び出す予定で、運行再開はそれ以降になる見込みだ。

 わ鐵などによると、脱線したのはJR東日本が所有する軌道検測車と呼ばれる車両で、わ鐵がJRに借りて年1回点検のため入線する列車。脱線当時は桐生―間藤駅間のすべての検査を終え、桐生駅へ戻る途中だった。列車には、運転していたわ鐵社員と検査会社の社員ら7人が乗っていたが無事だった。

 現場は水沼駅から花輪駅方面へ約600メートル行った場所で、県道根利八木原大間々線の八木原踏切付近。脱線したとみられる場所は水沼駅に向かって右カーブになっており、2両目の前側の台車についている四つの車輪がすべて左側に脱線し、そのまま約100メートル走って停止した。

 脱線の原因を調べるため、現場ではわ鐵やJRの社員、桐生署と桐生市消防本部に加え、国の運輸安全委員会の鉄道事故調査官2人も現地入りした。23日午前11時ごろ報道陣に対応した調査官は「事故原因の調査結果の公表は1年くらいかかる」と述べた。

 わ鐵によると、脱線の影響で22日は大間々―間藤間で上下線7本が運休となり、約70人の足に影響が出た。復旧までは桐生―大間々駅間で折り返し運転し、大間々―間藤駅間はバス輸送を行うことにしている。

 わ鐵の樺澤豊社長は「あってはならない事故。なるべく早く復旧したい」と力なく答えた。

 全国でも数少ない検査車両が走るとあって、脱線当時は複数の鉄道ファンらが撮影などのため現場におり、脱線を目撃した。

 埼玉県熊谷市の会社員真野貴光さん(41)は「4年連続で検査車両を見に来ているが、脱線して驚いた。線路内の枕木がところどころ破壊されているので、脱線したまま(台車を)引きずって走ったのだろう」と話す。

 神奈川県藤沢市の会社員男性(29)は、脱線当時の様子を動画に収めた。「土煙を巻き上げながらジャリジャリというものすごい音を立てて列車が敷石と枕木の上を走り、踏切内のコンクリートに当たって列車が飛び上がるようになって止まった。見ていた自分が動揺してしまった」と話す。
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