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Channel: ウェブ桐生タイムス
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5月のムクドリ

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 桐生のまちなかを歩いていると、どこからか鳥のひなたちの鳴き声。見上げる電線には1羽のムクドリ。その鳥がひょいと飛び立つと、数㍍先のビルの壁面に開いた小さな穴に、羽をたたんで入っていった。とたんに鳴き声のボリュームが上がった▼エアコンの通気口だろうか。中の空間におそらく巣があり、ムクドリのひなたちがえさを待っているのだろう。数十秒もすると親鳥が顔をのぞかせ、羽を広げて空に消えた。さらに眺めていると、2、3分で再び親鳥が飛来。くちばしに虫をくわえたまま、穴の中に姿を消した▼どこでどんな虫をとっているのか気になったが、それよりも、さっき飛び立った鳥といま穴に入っていった鳥は同じなのかと、気になった。手持ちのカメラで飛び立つ直前の成鳥の顔を繰り返し撮影し、比べてみると、くちばしの先の色や顔の模様が少しだけ違う。つがいでひなを育てているのだと、合点がいった▼大群を形成して騒がしい鳥の印象だが、日本野鳥の会の「日本の野鳥」によると春の繁殖前期には分散するという。けなげな子育ての姿を見れば、励ましたくもなる。小鳥たちにとって、えさの豊富な今ごろが繁殖のシーズン。生態の観察にもいい季節だ。(
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