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桐生織塾、現地最後の企画展へ準備、テーマは「編」

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 里山に抱かれた旧青木邸で活動してきた桐生織塾(桐生市梅田町一丁目、新井求美塾長)で、これまで28年間の総集編として、この地最後の企画展の準備が進められている。3月に死去した前塾長の武藤和夫さんが音楽や写真などからインスピレーションを得て制作した美しい縞(しま)織物や、盟友だった故新井巧一さんの絞りの大作、また人気の高かった銘仙きものや塾生の作品、民族衣装など、約50点で“有終の美”を飾る。

 織塾は桐生の近代織物工業発祥の「成愛社」ゆかりの地に、武藤さんが創作手織工房として開設。茶畑や梅林を前景に、水路が引かれ、後景には竹林や田んぼのある古民家で、各産地を結ぶ銘仙研究会の本拠となり、新井さんが塾長を継いでからは年に2回の企画展で資料を公開、子どもたちの体験学習の場としても活用されてきた。

 土地・建物は桐生市が借り上げ創作工房として提供してきたが、昨年2月に所有者が死去。遺族が相続を放棄し、国税局の公売手続きに入ることになった。時期などは未定。織塾はこの地を退去することになり、いったん休塾する。

 ここで最後の企画展は武藤前塾長をしのび、その作品やコレクションを展示するほか、人気投票で上位の銘仙、スタッフお気に入りの資料、塾生作品など「私の好きな桐生織塾」の特集で、テーマは「編」とした。アジア、アフリカ、中米の衣装にあざやかな色柄の銘仙が並び、縞を愛した武藤さんが「花の街」の曲の音階を色で、長さを幅で表現した織物も懐かしい。

 展示は6月2日から4日まで(午前10時~午後4時)、最終日午後2時から囲炉裏(いろり)端で「桐生織塾と武藤和夫さんの思い出」のお話会を開く。飛び入りも歓迎。入場無料。
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