最高裁が意外な判決を出した。「夫婦同姓は合憲」「女性のみの再婚禁止規定100日以上は違憲」と。裁判官の半数が女性なら、事態は違ったろう▼「どちらかが姓を変えなければならないなら、ぼくが変える」と森五郎。その知性と愛情で羽仁五郎になった。どちらの姓を選ぶかは当事者にゆだねられているとはいえ、いまでも改姓は96%が女性という現実に潜むものを見据えていた▼旧姓の通称使用で不利益や精神的苦痛が一定程度緩和できるという見方は皮相である。事実婚を選ぶ人たちも、夫婦別姓が可能になれば法律婚するかというと、ことはそう単純ではない。世界に冠たる戸籍制度もある▼「源氏物語」の時代から父の特定は困難だった。江戸の庶民は名字なんてない。島国は明治になって富国強兵、男系家制度を死守する仕組みもつくったのだ。今ならDNA鑑定もあり、できちゃった婚で慌てて結婚して後でびっくり、なんてことにもなる▼生物学者によると、生命最初の10億年以上はメスしかいなくて、メス同士情報交換してオスをつくった。パイロットは宇宙線を浴び続けるため、生まれてくるのはほぼ女の子だと聞いた。オスになり男を守るって、大変なことですな。(流)
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