北関東の女子校ネットワークでリケジョを増やせ─。科学技術振興機構(JST)の「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」に採択された群馬大学の理工学部(関庸一学部長)で28日、第1回の女子校ネットワーク会議が開催され2年間のプログラムがスタートした。今後2年間で実施担当者の板橋英之教授や現役女子学生が各校に出向いての講演会や実験教室、座談会、企業訪問などを実施、理工系に興味を持って進路選択する女子中高生を増やす活動を展開する。
JSTのプログラムは科学技術イノベーションに関連して将来活躍できる女性を増やそうと2009年度から実施しており、今年度は応募21件のうち群大、電気通信大、武庫川女子大、島根大、熊本大の5件を採択。1件2年間で300万円を支援する。
群馬大学の企画は「女子校ネットワークを使った理工系進路選択支援プロジェクト」。担当の板橋英之教授は「日本の科学技術立国には少子化もあり、女性の参画が必要。北関東では進学校が女子校になっているが、女子校では文系が多く、理工系に興味を持ちにくい。これまで行ってきた講演会や実験教室の実績をもとに、北関東地域の女子校でネットワークを形成し、理工系を増やすプログラムを実施する」と意義を語る。
第1回の会議には群馬9校、栃木4校、埼玉1校の女子校ネットワーク参加校と、ぐんま男女共同参画センター、各県教委の担当者らが出席。趣旨説明のあとの意見交換では「理系は医療、看護系が多い」「物理、数Ⅲの壁がある」「小学校の教育もカギ」など、熱心な話し合いが行われた。
理工学部の女子学生から募集した「リケジョコンシェルジュ」には学部2年生から修士2年生まで30人が登録しており、うち16人が出席して自分の体験や意見を述べた。
今年度は板橋教授やリケジョコンシェルジュ、社会で活躍するOGが各校に出向いて研究や活動を紹介する講演会を、文理選択前の1年生と保護者を対象に実施。また出前の実験教室、リケジョコンシェルジュとの座談会、OGエンジニアが多いサンデンフォレスト赤城事業所の工場見学・懇談会を予定している。
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